手打ちは控えめでも、景気停滞打破へ「酉の市」 横須賀

縁起物の熊手を購入し、景気付けに「手打ち」をする家族連れ=諏訪神社

 毎年恒例の酉(とり)の市が14日、大鷲(おおとり)神社のある諏訪神社(神奈川県横須賀市若松町)境内で開かれた。新型コロナウイルスの影響を受けながらも周辺道路まで約50の露店が並び、にぎわいを見せた。

 2日の「一の酉」に続く14日の「二の酉」は天気にも恵まれ、縁起物の熊手などを目当てに多くの人が訪れた。商売繁盛を願って景気付けに行う「手打ち」は、普段より控えめの声が境内に響いた。

 今年は新型コロナが各地の酉の市に影を落としている。実施に踏み切った諏訪神社の小池千穎(ちかい)宮司(76)は「不安はあったが、恒例の行事。横須賀の景気が停滞しているのもあり実行した。期待する市民が多いのは肌で感じる」と話す。

 露店商にとっては、イベントが軒並み中止となる苦しい年だった。境内で熊手を販売した横須賀イベント商業協同組合の角田隆次事務局長(59)は「(コロナ以降で)これだけ大規模に商売できるのは今回が初めて」と張り切っていた。

 26日午前7時~午後10時は同神社境内で「三の酉」が行われる。

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