V・ファーレン長崎 不運も重なり勝ち点ゼロ

【V長崎-琉球】前半ロスタイム、V長崎のGK高木和が前に出てパンチングする=トラスタ

 昇格圏が遠のく痛恨の勝ち点ゼロとなった。V長崎は5点大勝の前節から一転、攻め手を欠いて8試合ぶりの黒星。2位福岡は勝ったため、8試合を残して勝ち点差は「5」に広がった。「気負いと空振りがあった」。手倉森監督は終了後、ピッチ脇にぼうぜんと立ち尽くした。
 コロナ禍の今季は降格がない。失うものがない18位琉球は積極的に仕掛け、V長崎は勢いに押されて後手に回った。GK高木和は前半に3度訪れたピンチを何とかしのいで反撃を待ったが、そのときは最後まで訪れなかった。
 中盤で数的優位をつくれず、両サイドからも前へボールを運べない。エジガルジュニオが後半21分に退くまでに明確な攻撃の形を示すことができず、4試合4得点のストライカーは前線で孤立した。
 不運も重なった。1点を追う後半38分、ペナルティーエリア内で澤田が相手の足にかかって転倒したが、主審の笛は鳴らず。選手たちが決死の表情で猛抗議したものの判定が覆るはずもなく、逆に残り少ない試合時間を消費した。
 これで次節に順位を上げる可能性を失った。まずは2位の背中をつかめる位置まではい上がるしかない。「めげずにやっていく」と指揮官。勝ち続ければ、もう一度必ずチャンスは来る。


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