アメリカからイギリスへの引っ越し 手続き編【11月】 新型コロナウイルス・現地レポ

 新型コロナウイルスの影響で、国外への移動が難しい状況のなか、夫の転勤のため国をまたぐ引っ越しをした。2020年11月に、アメリカのニュージャージー州から、イギリスのロンドンへ引っ越した様子を、2回に分けてお届けする。今回は、引越しが決まってから、出発前日までの出来事を紹介したい。

▲大統領選挙前日の11月2日、マンハッタンでは、ショーウィンドウや入り口に板を張って、暴動に備える高級ブティックが目立った## 新型コロナで各プロセスの時間が読めず早めの準備で乗り切った

 夏に引っ越しが決まってすぐ、イギリスのビザ取得や、飼い猫の移動方法などの準備を始めた。パンデミック中の国外への引っ越しで、大きな問題となったのは、各プロセスの時間が予測できなかったことだ。通常なら約1週間でビザが発行され、パスポートが戻って来る。しかし、今回はどのくらいの時間がかかるのか、全く予想が出来なかった。

イギリスのビザ取得までの流れは、大まかに以下の通り

①必要書類の準備
②雇用主による雇用証明書(Certificate of Sponsorship)の申請
③ビザ申請書類を、オンラインで事前に提出
④ビザ申請センターにて、生体認証付きの在留許可証を取得

 我が家は8月上旬に、弁護士を通してビザ申請の準備を始め、約2カ月かけて家族3人分の書類を準備した。10月9日に雇用証明書を取得後に、11日にオンラインで全書類を提出した。

 面接日程の決定を待つばかりの10月16日、弁護士から連絡があった。「シルバーパッケージ」という特急サービスを使用しなければ、面接は11月の中旬以降になるということだった。費用は1500ドル(約15万円)で、夫の分は会社負担となるが、私と息子の分は自腹となる。背に腹は代えられないということで、費用を支払い面接日を早めてもらうことにした。

 面接日は20日であったが、前日の19日に連絡が来たため、大慌てで準備を行った。通常は弁護士事務所から、昔の電話帳ほどの大量の書類を印刷したものが送られてくる。しかし今回は、面接日の決定が急であったため、自分たちで印刷する必要があった。自宅にはプリンターがなかったので、近所のFedExにて印刷をして事なきを得た。

 待ちに待った面接当日、マンハッタンのミッドタウンにある申請センターを訪れた。書類の提出や、生体認証情報の登録に1時間ほどかかり、手続きはあっさりと終わった。ビザが取得できるか、審査結果は分からない状況であったが、翌日には航空券を購入した。現在は、無料でフライトの日程変更ができる航空会社が多いので、この点は安心だった。

 24日に晴れて、5年間有効なビザが発行され、パスポートが戻ってきた。特急サービスを利用したため、書類審査の結果は1週間ほどで分かり、パスポートは4日で返却された。新型コロナただ中の引っ越しは不安な面も多かったが、何はともあれ、イギリスへ向かう準備は整った。

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