コロナ禍のFA戦線どうなる? 大注目はヤクルト勢、早々に残留宣言の選手も

ヤクルト・山田哲人(左)と中日・大野雄大【写真:荒川祐史】

山田哲人、小川泰弘、石山泰稚がそろって国内FA取得

日本野球機構(NPB)は17日、2020年度のフリーエージェント(FA)有資格選手名簿を公示した。新たに国内FA資格を取得したのは21人、海外FA資格を取得したのは16人。すでに国内FA資格を有する17人、海外FA資格を有する43人と合わせて、計97人がFA有資格選手となった。新型コロナウイルス感染拡大により異例のシーズンとなった2020年オフのFA戦線はどうなるのか――。

目玉はやはりヤクルトの山田哲人内野手か。プロ10年目の今季は状態が上がらずに94試合出場で12本塁打、52打点、8盗塁、打率.254と本来の数字ではなかったが、史上初となる3度のトリプルスリー達成の実力は揺るぎない。権利を行使することになれば、大枚が飛び交うことは間違いない。

一方で、山田とともに去就に注目が集まっていた中日の大野雄大投手は、シーズン最終戦で早々に残留を宣言。関係者によると複数年契約で合意しているとみられ、8年ぶりAクラス入りを果たしたチームで、悲願の優勝に向け力と注ぐ。

また山田と同じヤクルトでは、エースの小川泰弘投手と守護神の石山泰稚投手も同じく国内FA権を取得。小川は今季20試合に登板して10勝8敗。防御率4.61ながら、8月には史上82人目となるノーヒットノーランを達成した。石山は44試合に登板して3勝2敗、4ホールド、20セーブ、防御率2.01と変わらぬ安定感を見せた。最下位に沈んだチームにとって主砲・エース・守護神の流出だけは避けたいところだろう。

そのほかDeNAの井納翔一投手も動向が気になるところ。国内FA権を取得した日本ハムの西川遥輝外野手は、昨オフからメジャー挑戦を視野に入れている。西武の金子侑司外野手も今季取得したが、昨オフに4年契約を結んでおり、生涯獅子を貫くことになりそうだ。

新型コロナの影響で開幕は3か月延期され、120試合に短縮されたものの例年より短くなるオフシーズン。ここに来て感染再拡大が叫ばれるなど不透明な状況が続く中、今季のFA戦線から目が離せない。(Full-Count編集部)

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