無意識に「男だから」にとらわれていませんか? 19日は「国際男性デー」

「男性の生きづらさと、女性が抱える悩みは表裏一体」と訴える「Lean In Tokyo」のメンバー=都内

 「『自分は男だからキャリアを一番に考えないといけない』という無意識のバイアス(偏見)にとらわれていた」-。11月19日の「国際男性デー」を前に行われたオンラインでのトークセッション。「夫婦共働き時代におけるパートナーとの新たなライフデザイン」をテーマにメインスピーカーを務めた上原達也さん(32)は、自らの過去を振り返りつつ、続けた。「半分『呪い』のようになっていた。自分で意識することが大事だと思った」

■保育園探しが転機
 今でこそ2児の父として家事や育児を担い、起業家としても活躍する上原さんだが、かつては、仕事一筋の「ワーカホリック」だった。新卒で入社したベンチャー企業では、早朝から深夜まで働き、平日は起きている妻と顔を合わせないのが「当たり前」。デザイナーとして働く妻が第1子を妊娠して里帰りした時は、仕事に専念できる「ボーナスタイム」と捉えた。

 転機となったのは、長女の保育園探しだった。激戦区だったため、自分も何かしなければと“保活”に加わり、その厳しさを実感。転職先の上司が子育て中の女性で理解が得られたこともあり、「家事・育児」と「仕事」の両立を真剣に考えるようになった。

 「任せっぱなしでは、職場復帰した妻のキャリアのためにも、家庭のためにもよくない」-。

 以来、家事や育児にも積極的に取り組み始めた上原さん。「全然できなかった」という料理も、食材がそろったミールキットを買ったり、調理家電に頼ったりしてこなしているといい、子どもがまだ寝ている早朝に仕事時間を捻出するなど、試行錯誤の日々が続いている。

 ただ、そんな中で気付いたことがある。

 「自分がいろいろなことをやるようになった時に、妻が申し訳なさそうにしていることが多かった。『本当は自分がやるべきことなのに』と捉えている」

 どちらも「呪い」を抱えているのは同じだった。

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