なぜ子供は新型コロナの感染数が少ないのか?、横浜市大などが研究を開始

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横浜市立大学(横浜市大)は11月18日、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19)と診断された小児を対象にして、回復後(およそ3か月、6か月、1年後)に、体内の新型コロナウイルスに対する免疫機能がどのように変化しているかを調べる抗体検査を開始したことを発表した。

今回の取り組みは、同大学術院医学群 臨床統計学の山中竹春 教授、同微生物学の梁明秀 教授、同発生成育小児医療学(小児科学)の伊藤秀一 教授、同 西村謙一 助教らと、東京慈恵会医科大学 小児科学講座の井田博幸 教授、同 飯島正紀 助教らの共同研究グループで進められる。

小児における新型コロナに関しては、感染者数が少なく、重症者割合・死亡者も成人と比較すると低い割合であることがわかっている。また、その感染経路に関しては、約8割が家族内感染とも言われており、小児における新型コロナの病態や、抗体の獲得と保持の実態、抗体価測定の意義を明らかにするために、新型コロナウイルスに対する中長期的な免疫能を評価することが求められるようになっている。

今回の研究の方法としては、抗体が6か月後や1年後も残るのか、さらに残った抗体は再感染しにくいことを意味するのかを調べるために、初回のPCRなどの検査が陽性となった日から、およそ3か月、6か月、1年後に、抗体検査と中和活性測定を行い、ウイルスが体内に侵入するのを防ぐ免疫機能の獲得(ウイルス感染阻止能)を評価することを計画している。症例の登録期間は2020年10月23日から2021年1月31日までを予定しており、対象者については、以下の通りとしている。

  • 日本在住で研究登録時に16歳未満である
  • 咽頭ぬぐい液、鼻咽頭ぬぐい液、または唾液のPCRなど(PCR検査またはLAMP法)の遺伝子増幅検査によりCOVID-19と確定診断された小児患者(予定登録数:50例以上)
  • 今回の研究の参加について、保護者など代わりの方が研究内容について十分な説明を受け、文書にて同意が得られている方

なお、今回の研究では、梁教授らが開発した交差反応が低く、特異度の高い抗体検査試薬キットを用いて進められる予定のほか、東ソーが、梁教授らが開発した抗体検出技術に基づき、すでに事業展開している全自動化学発光酵素免疫測定装置の新規項目として、新型コロナウイルス抗体検出用の試薬開発を、関東化学が、同測定システムにおいて、新型コロナウイルス抗体検出用の試薬に用いる抗原タンパク質を安定的に生産する方法の確立を目指し、試薬原料(抗原タンパク質)の供給体制を整える取り組みも進めていくとしている。