メッツ・カノー 2度目の薬物規定違反で162試合出場停止

メジャーリーグ機構は日本時間11月19日、ロビンソン・カノー(メッツ)が薬物規定で使用を禁止されているスタノゾロールに陽性反応を示し、162試合の出場停止処分を科されたことを発表した。カノーはマリナーズ時代の2018年にも薬物規定違反で80試合の出場停止処分を受けており、薬物規定に違反するのは今回が2度目となる。162試合の出場停止処分を受けたことにより、カノーは2021年シーズンに出場できず、年俸2400万ドル(約25億円)も受け取ることができない。

メッツのサンディ・アルダーソン球団社長は「我々はロビンソンがメジャーリーグ機構の薬物使用防止・治療プログラムの規定に違反して出場停止処分を受けたことを知らされ、非常に落胆しています」とのコメントを発表。「この違反は彼にとっても、球団にとっても、ファンにとっても、そして球界にとっても非常に残念なことです。メッツは球界からパフォーマンス向上薬を排除しようというメジャーリーグ機構の取り組みを全面的に支持します」と述べた。

2018年オフにトレードでマリナーズからメッツに加入したカノーは、移籍1年目の2019年こそ107試合で打率.256、13本塁打、39打点、OPS.736と不本意な成績に終わったものの、今季は49試合で打率.316、10本塁打、30打点、OPS.896の好成績をマーク。OPSはヤンキース最終年(2013年)以来の高水準となり、完全復活をアピールしていた。カノーは「自分の体内に入るものはすべて理解しています。私に責任があります」とのコメントを発表している。

メッツとカノーの契約はあと3年残っているが、162試合の出場停止処分を受けたことにより、来季の年俸は支払われない。2022~23年の2年間で4800万ドル分の契約が残っており、このうち約4000万ドルがメッツの負担分となっている(残りはマリナーズが負担)。カノーの年俸が浮いたことにより、メッツの補強戦略に影響があるかもしれない。

なお、メジャーリーグ公式サイトは「メッツが複数回の薬物規定違反を犯した選手の復帰を歓迎するかどうかはわからない。高額の契約が残っているが、カノーと別れることを選ぶ可能性もある」と指摘している。

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