クリスマスマーケットも12月まで延期 @オーストリア・ウィーン【11月12日】 新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ

11月3日から新たな規制実施も感染の勢い止まらず

 ウィーンでは11月3日から実施された対コロナ規制措置によって夜間外出などが禁止となったが、実施から1週間以上たった今も感染者数などの減少は見られない。2日にはイスラム原理主義者によるテロが勃発したことにより不穏な空気が広がっており、街は一層活気をなくしている。

 規制措置は春頃に実施されたロックダウンとは異なり、緩やかな規制となっている。夜8時から朝6時までの外出を禁止するほか、映画館や美術館、劇場、コンサートなどの文化施設やホテルなどの営業が規制されている。ただし、夜間の外出も仕事や家庭の事情による場合や、ペットの散歩など「身体および精神的に必要なレクリエーション」の場合は認められる他、飲食店はテイクアウトのみ許可されている。ホテルも出張などビジネスのための使用に限り許可される。そのため、規制中の現在でも夜は人通りがなくなるわけではなく、むしろジョギングなど運動する人の姿をよく見かけるようになった。

 例年であればこの時期のウィーンはクリスマスマーケットの開催でにぎわうのだが、今年はコロナの影響で12月からに延期された。クリスマスマーケットはウィーンの街をあげての一大イベントで、観光名物でもあり、市民の大きな楽しみにもなっている。市民の多くがマーケットへと繰り出し、ホットワインとソーセージを堪能する姿があちこちで見られるのだが、無事に開催できるかどうかは新型コロナの状況にかかっている。先の見えない状況に、市民の深いため息が聞こえてくるようだ。

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