AIを使いこなせる人材育成を急ぐ企業たち @AI・人工知能EXPO AIの導入や蓄積データの活用を目的に

 AIの専門展示会「AI・人工知能EXPO」には、社内におけるAI人材育成を検討する企業の担当者が多く見られた。省人化や業務効率化を目的としたAIの導入や、蓄積データの活用のために、社内でのAI人材育成の需要が高まっている。

▲「AI・人工知能EXPO 春」は過去3度開催されているが、秋の開催は今回が初めてとなる

 AI開発のSIGNATE(東京都千代田区)では、AI人材育成のためのオンライン講座が、一般企業のAI導入を検討する部署や、人事担当者などの関心を集めた。経営陣のAIへの理解が浅く、費用対効果や明確な目的がない導入を求められ、現場が困っているという声も多かった。「まだAIが理解されていない。何ができるのか、何をしたらいいのかというテーマ探しの段階」

▲来場者は予想していたより多かったと話すデータミックス(東京都千代田区)

 データサイエンススクール運営のデータミックス(東京都千代田区)には、蓄積データを活用したいと考える製造業関係者が多く訪れた。社内で在庫や売り上げ、顧客などのデータをためているが、有効活用できていないという。『社内にAI人材がいれば、AI関連のプロジェクトがうまくまわる』というメッセージが注目を集めていた。「人材紹介業も行っているが、自社のスタッフをデータサイエンスやAIの知識を持つ人材に育てたいという需要の方が圧倒的に多い」

 ソフトウェア開発のAnamorphosis Networks(京都市)では、検品システムなどに使われる内製化可能なAI・画像処理ソフトウェアが、大手加工メーカーの関心を集めた。ソフトをダウンロードして自社内で実証実験できるので、ノウハウや機密データを外部に持ち出さずにすむ。「AIチェックに必要な画像データは、機密の面からなかなか提供してもらえない。顧客自身が判定するという発想が面白いという声が多かった」

ディープラーニング研修のスキルアップAI(東京都千代田区)には、AIを導入したいが、社内にAI知識を持つ人材がいないという課題を抱える、一般企業の人事担当者が多く訪れた。新たにAI人材を雇用するよりも、社内の人材に知識をつけさせたいと考えている。「自社のことをよく知ったうえで、AIで何をすれば最適かを考える必要があり、外部に丸投げしたくないのが企業の本音だ」

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