ナショナルズがスター捕手・リアルミュート争奪戦に参戦か

今オフのフリーエージェント市場における目玉の1人であるJ・T・リアルミュートをめぐっては、再契約を熱望するフィリーズと潤沢な資金を持つメッツが激しい争奪戦を繰り広げることが予想されている。しかし、そこに同地区のライバル球団が名乗りを上げる可能性があるようだ。「MLBネットワーク」のジョン・ヘイマンによると、ナショナルズがリアルミュート争奪戦に参戦する可能性があるという。スター捕手の獲得をめぐる争いは、同地区3球団を中心とした競争へと発展するかもしれない。

フィリーズは2年前のオフにトップ・プロスペクトのシクスト・サンチェスを交換要員としてリアルミュートの獲得に成功した。フィリーズはリアルミュートとの契約を延長できると考えていたため、サンチェスの放出に応じたようだ。ところが、新型コロナウイルスの感染拡大によってリアルミュートとの契約延長交渉は中断され、無観客開催による減収によってリアルミュートとの再契約に必要な資金を用意できるかも不透明な状況。リアルミュートが同地区の他球団へ流出すれば、フィリーズが受けるダメージの大きさは計り知れない。

ナショナルズは2年前にリアルミュートがマーリンズからトレード候補となっていた際、獲得に乗り出していた球団の1つである。現在はヤン・ゴームスが正捕手扱いとなっているが、すでに33歳で衰えが見え始めており、徐々にバックアップ捕手へシフトしていっても不思議ではない状況。ナショナルズがリアルミュートの獲得に成功すれば、トレイ・ターナーとフアン・ソトの2人への依存度が高かった打線のグレードアップをすることもできる。

また、ナショナルズとしては、同地区ライバルのフィリーズから主力打者兼正捕手を引き抜くことができるだけでなく、2年前のオフにブライス・ハーパーを攫われた「リベンジ」を果たすこともできる。資金力の面からメッツが最有力と見られているが、ナショナルズが加わることによってリアルミュート争奪戦はさらに盛り上がりそうだ。

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