40歳の大砲・クルーズ 指名打者制の確定まで契約を待つ方針

メジャーリーグ公式サイトのジョン・ポール・モロシが関係者の話として伝えたところによると、メジャーを代表する強打者の1人であるネルソン・クルーズは来季の「ユニバーサルDH」の動向が明らかになるまで契約を待つ方針を固めているようだ。もし来季も「ユニバーサルDH」が採用され、ナショナル・リーグも指名打者制となれば、クルーズの獲得を狙う球団は増加する可能性が高い。40歳のベテランスラッガーは、自身の価値が最大化するタイミングまで待ち、契約先を決める方針だ。

今季は新型コロナウイルスの感染拡大によって変則的な形でのシーズン開催を余儀なくされ、投手の負担を軽減するためにナ・リーグでも指名打者制が採用された。打席に立つことを好む一部の投手から不満の声も聞こえたが、「試合に出場するチャンスが増える」と多くの選手からは好評だった。そのため、来季もナ・リーグで指名打者制を採用するかどうか、メジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会のあいだで交渉が行われている。

クルーズは今季53試合に出場して打率.303、16本塁打、33打点、OPS.992をマーク。7月に40歳の誕生日を迎えたが、メジャー屈指の強打は今季も健在で、2年連続4度目となるシルバースラッガー賞に輝いた。しかし、ツインズ移籍後の2シーズンは1度も守備に就いておらず、完全に指名打者専門の選手となっている。そのため、「ユニバーサルDH」の動向が不透明な現時点では、ナ・リーグの球団はクルーズの獲得に動くことができない。

ナ・リーグの指名打者部門でシルバースラッガー賞を受賞したマーセル・オズーナは、指名打者39試合のほか、左翼手として19試合、右翼手として2試合に出場。決して指名打者専門の選手ではないため、現時点でもナ・リーグの球団からの関心が報じられている。とはいえ、来季もナ・リーグで指名打者制が採用されることが正式に決定すれば、クルーズとオズーナをめぐる市場は一気に拡大することになるだろう。

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