レメイヒュー争奪戦はニューヨーク2球団の一騎打ちの可能性も

今オフのメッツは、大富豪のスティーブ・コーエンを新オーナーに迎えたことにより積極的な補強を展開することが予想され、多くの有力フリーエージェント選手やトレード候補選手への関心がすでに報じられている。ロビンソン・カノーがキャリア2度目の薬物規定違反により162試合の出場停止処分を受けたため、ペイロールに約2000万ドルの余裕が生まれただけでなく、正二塁手のポジションにも空きができた。これを受けてメッツがDJ・レメイヒュー争奪戦に本格参戦するとの見方が強まっている。

「ニューヨーク・ポスト」のケン・ダビドフによると、ヤンキースからフリーエージェントとなったレメイヒューはニューヨークに留まることを希望しているという。これを文字通りに受け取るのであれば、レメイヒューにとってメッツはヤンキースに次ぐ「第2希望」のチームということになる。また、ダビドフはヤンキースとレメイヒューのあいだで契約交渉がまだ開始されていないことも伝えている。

メッツはカノーの出場停止処分によって浮いたペイロールの枠をそっくりそのままレメイヒューの年俸に回すこともできるが、カノーの契約は2023年まで残っており、2022年と2023年の年俸については支払いの義務がある。よって、レメイヒューを複数年契約で獲得すると、2022年以降はレメイヒューとカノーという高額年俸の二塁手を2人抱えてしまうことになるため、このあたりの事情がレメイヒュー獲得に向けてのハードルになるだろう。

また、「ニューヨーク・ポスト」によると、ヤンキースと同じアメリカン・リーグ東部地区に所属するブルージェイズもレメイヒュー獲得に興味を示しているという。ただし、ニューヨークに留まることを希望しているレメイヒューを獲得するうえで、カナダに本拠地を置くブルージェイズが地理的条件で不利な状況にあるのは間違いなさそうだ。

レメイヒューは現在32歳。今季は50試合に出場して打率.364、10本塁打、27打点、OPS1.011の好成績をマークし、MVP投票で3位にランクイン。1900年以降の近代野球では史上初となる両リーグ首位打者の快挙を成し遂げた。

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