山道抜けて隣の地区で「修学旅行」 神奈川・松田町立小6年生が企画

ハンター役の教諭(右)から逃げる児童=松田町寄

 新型コロナウイルスの影響で修学旅行が中止となった6年生に学校生活の思い出をつくってもらおうと、松田町立松田小学校は19日、町内の寄(やどりき)地区で「寄修学旅行」を行った。6年生約70人が手作りの旅行を楽しんだ。

 同校では9月に修学旅行の中止が決まり、代替イベントの企画を児童に募集。「学校に泊まる」「肝試しをする」など多くのアイデアが寄せられ、19日の寄修学旅行と30日のさがみ湖リゾートプレジャーフォレスト(相模原市緑区)への遠足が決まった。

 寄修学旅行は、同じ町内ながら児童らが住む松田地区とは離れた寄地区を知ることが狙い。ほとんどの旅程は児童が決めたという。児童らはバスで昨年春に閉校となった町立寄中学校に到着。町立寄小学校の児童らと交流した後、クイズを解きながら歩くウオークラリーでマス釣り場へ移動、魚釣りに挑戦した。

 旅行の目玉は寄中に戻ってからの「鬼ごっこ」。児童がルールを決め、旧校舎やグラウンドを使って行った。教諭2人が児童を捕まえる〝ハンター〟にふんし、児童らは普段は走れない学校の廊下などを全力疾走して逃げ回りながら、宝探しなどを行った。その後、夕食と夜の肝試しをした。児童らは「初めてのことばかりで十分思い出になった」「班別行動でみんなの絆を深められた」と笑顔で振り返っていた。

 津田将美校長は「決められたプログラムでなく、手作りの修学旅行ができた。修学旅行をはじめ多くのイベントが中止になったが、これからも課題があっても自ら切り開く姿勢を持ってほしい」とエールを送っていた。

© 株式会社神奈川新聞社