V長崎 千葉に1-0 名倉、起死回生の決勝ゴール

【千葉-V長崎】後半6分、カウンターからV長崎の名倉が先制ゴール=千葉市、フクダ電子アリーナ(V・ファーレン長崎提供)

 V長崎が起死回生の1勝を挙げた。劣勢を耐えしのぎ、数少ない好機で仕留める勝負強さをここに来て発揮。さらに上位2チームが勝ちを逃したため、早ければ次節で2位に浮上するチャンスをつかんだ。「この緊張感の中で勝てたのは大きい」。GK徳重の言葉にも実感がこもった。
 昇格を諦めない強い気持ちが、勝ち点3をたぐり寄せた。ボールを「持たされる」ような展開でも集中を切らさず、カイオセザールとフレイレは相手と交錯して一度はピッチ外に退きながらもプレーを続行。勝利に向かう姿勢を貫き、流れが来るのをひたすら待った。
 その思いが実ったのは後半6分。相手のお株を奪うようなカウンターだった。自陣でこぼれ球を拾い、縦に素早くつないで最後は名倉。「僕たちは負けられないし、勝たなくてはいけない」。気合の乗った左足シュートが、豪快に千葉のゴールネットを揺らした。
 前節の負けで窮地に追い込まれたことが「けがの功名」となり、逆にチームの団結力が増したという。名倉は「失点ゼロに抑えられたのは、気持ちの部分で上回れたから」と勝因を挙げ、手倉森監督も「きょうの勝ち方はメークドラマの原本になる」と自信を取り戻している。残り7試合。三つどもえの昇格争いは、最終盤までもつれる様相を呈している。

 


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