2020年11月26日 20ヶ月の休業を経て「大津湯」が新しい形でリニューアルオープン!

皆さんは銭湯って行かれますか?

僕は大好きなので、多いときは週に3回ほど通っています。なんといっても、アツーいに湯に浸かっている時の、頭の中がリセットされる感じがとても好きなんですよ。無の状態になれるというか。

そんな中でも僕がよく行くのはスーパー銭湯ではなくて、昔ながらの「THE銭湯」が多いです。スーパー銭湯と比べると設備や広さでは劣りますが、”ノスタルジーな雰囲気”とそこに形成されている”コミュニティ”や”ストーリー”がいいんですよね。

そんな銭湯LIFEを過ごしているある時、大津市にある休業していた銭湯がリニューアル工事をしていることを知りました。

これは気になる」と思い、すかさずその銭湯に”お話を聞かせてほしい”と連絡したところ、なんと工事中にもかかわらず快くOKを頂きました。

その銭湯の名は「大津湯」

2代目の米谷(よねたに)夫婦が目指すのは、新しい形のユニバーサルな銭湯である。

大津湯の歴史

大津湯は昭和34年(1959年)に開業した。今年で60年目を迎える銭湯だ。

そもそもお風呂屋を始めるきっかけになったのは、石川県出身のお父様が京都でお風呂屋を3軒も営んでいた兄を頼って京都に来たことが始まりだったという。その後、お父様は大津市にて「大津湯」を開業します。

後々、調べてみると大阪の銭湯経営者の九割近くが北陸出身で、中でも石川県出身者が過半数以上を占めているんだって。これは知らなかったなあ。

ご両親がお亡くなりになられてからは、息子である”米谷基広”さんとその妻”智也子”さんが2代目として切り盛りしている。

地元の人に愛される銭湯が休業

開業してからは、お客さんの大半が毎日来る様な常連さんだったというぐらい地域の方達に愛される銭湯になりました。それもご両親が、地域の人たちとの繋がりをとても大切にされていたからだといいます。

お風呂屋⇄お客さん」という関係だけでなく、敷地外の植木などもされていたんだとか。そういう人徳もあって、現在でも向かいにあるキリン堂さんが駐車場を無償で貸してくれていたり、企業さんが車椅子を寄付してくれたりと色んな事に繋がっています。

そんな銭湯を2018年に息子である基広さんが引き継ぎました。しかし2019年3月、基広さんが突然脳出血で倒れてしまいます。後遺症として右半身の麻痺や言語障害が残ってしまい、仕事が出来ない状態に。その結果、大津湯は休業を強いられてしまいます。

一時は閉業を考えたともいう智也子さん。

しかし「お父ちゃんたちが残してくれたものを潰すわけにはいかない

という熱い想いから再開を決意します。

2019年7月からは急ピッチで工事を開始させました。

これから頑張っていこう

そんな思いで頑張っている最中、次はご両親や夫の介護を続けていた智也子さんが肝不全で倒れてしまいます。一時は生死をさまようほどの重傷だったという。

その後、なんとか無事に回復したものの左足にはまひが残ってしまいました。

その後はコロナの影響もあり工事が遅れることもあったが、工事業者や関わってくれている関係者の尽力もあり、リニューアルに向けて工事が進んでいる。

米谷夫婦が目指す銭湯

みんなが同じ目線で入れるユニバーサルな銭湯を作りたいんです

米谷夫婦は自らの体に障害が残ってしまったからこそ、子供、大人、お年寄り、障害を持ってる方、誰でも気軽に同じ目線で入れる銭湯を作りたいと考えました。車椅子の方でも特別料金を払わずに「今日いこか」と気軽に行けるユニバーサルな銭湯です。

また智也子さんは「来るお子さんたちにももっと広い世界を見てほしい」と話します。

ここで障害を持たれている方や不自由な方と実際に触れ合うことで、「困ってる方がいれば助ける」「車イスを押してあげよう」そんなことを思い、行動に移せるお子さんに育ってくれたらと望みます。

お風呂内には車椅子ゾーンが設けられており、足腰の悪い方でも気軽に入れるように設計が進んでいます。ここで色んな交流が出来ていくわけですね。

また入り口から浴室まではバリアフリーに。足腰が弱い方や車椅子の方でも気軽に行き来できるように、スロープなども付けられます。

銭湯内の様子

リニューアルは11月26日(いいふろ)の日

そんな大津湯がリニューアルするのは2020年11月26日(木)

”いいふろ”の日です!

最後に智也子さんに聞いてみた。

今後どのような銭湯にしていきたいですか?

いろんな方が集まる場になって、みんなが笑顔になれる。そんな場所にしていきたいですね

米谷夫婦が作る銭湯は、優しくて温かい世界が広がっているだろう。

是非、実際に足を運んで肌で感じてみて下さい。

アクセス、お店の情報

[住所]滋賀県大津市大門通16−55
[営業時間]15:00~24:00
[定休日]水曜日
[料金]
大人(12歳以上の者)430円
中人(6歳以上12歳未満の者)150円
小人(6歳未満の者)100円
[駐車場]お店横にあり(満車の場合は向かいのキリン堂に駐車可)
[お店のSNS]
Twitter
Instagram

© LOMORE