三浦市立中で「リモート修学旅行」 京の伝統工芸を体験

オンラインで京都にある扇子専門店スタッフの説明を受けながら絵付けする生徒たち=初声中

 新型コロナウイルス感染症の影響で京都への修学旅行に行けなかった神奈川県三浦市立初声中学校(初声町下宮田)の3年生72人が24日、同校で「リモート修学旅行」を体験した。オンラインで京都の扇子専門店と結び、扇子の絵付けに挑戦。自由な発想で思い思いに描きながら、京の伝統文化に触れた。

 三浦市内の市立3中学校は、新型コロナ拡大を受けて当初5月に予定していた修学旅行を10月に延期したが、沈静化のめどが立たないため中止に。少しでも修学旅行気分を味わってもらおうと、実際に修学旅行で予定していた京都の伝統工芸体験をリモートで実施することになった。

 まず、「舞扇堂」(京都市伏見区)のスタッフが京都弁で「あまり濃く塗らないで」などと絵付けの注意点を説明。生徒たちは事前に描いておいた下書き用紙の上に扇面紙を重ね、絵の具で丁寧に仕上げた。絵柄は桜の花や富士山、タカ、ウサギなどさまざま。絵付けした扇面紙は舞扇堂に送られ、約1カ月半後には扇子になって戻ってくる。

 生徒たちはこの日、「レクDAY」として自分たちが企画したゲームやスポーツなども楽しんだほか、給食では京都名物の生八つ橋を食べた。

 前生徒会長の榎本大飛さんは「修学旅行に行けなかったのは残念だけど、密にならないようにしてコロナ禍でもできることはある。みんなで楽しんで思い出をつくりたい」と話していた。

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