国連によるSDGs採択から5年。認知度は低い中でも、県内で「SDGs宣言」する企業もでてきた。SDGsに対する県内の取り組みや企業が宣言する意義などの疑問に、SDGs啓発に努める南日本ハム食育広報推進課長の難波裕扶子さんに答えてもらった。
国内、県内のSDGsへの取り組みの現状は?
「内閣府は2016年に首相を本部長とする推進本部を設置し、アクションプランなどSDGs達成を目的とする政府の基本方針を決定しました。経済界ではESG(環境・社会・ガバナンス)投資を行う動きが加速し、SDGsに貢献して持続可能な経営を目指す企業に資金が集まる時代がきています。また、教育は17の目標全てに関わると位置付けられ、『持続可能な社会の創り手』を育むよう新学習指導要領が改訂され、SDGsの視点に立った教育活動が展開されます」
「県内ではSDGs達成に向けた取り組みが他県より消極的だと感じる一方、SDGsによる可能性を見いだして積極的に取り組む企業や団体、自治体、学校が増えてきました。持続可能な宮崎となっていく大きな風、希望を感じています」
企業がSDGs宣言することの意義は?
「企業におけるSDGsの捉え方は、リスクに対する守りのSDGsとチャンスをつくる攻めのSDGs、そして長期経営の土台に位置付けるという三つの側面があります。投資家や取引先、消費者は今後SDGsを重要視するようになるので、企業は取り組みを発信しなければなりません。それがSDGs宣言。ステークホルダー(利害関係者)に好印象を与え、信頼獲得や新たな事業機会の創出、生存戦略を勝ち抜くことにもつながります。未来の社会に不可欠な企業―と印象付けられることも考えられます」