箱根湿生花園の客足復調 登山電車再開にGoTo恩恵

©株式会社神奈川新聞社

冬の到来に向け、ミズバショウを保護するためのネットを設置=箱根湿生花園

 今年14年ぶりに神奈川県箱根町直営となった箱根湿生花園(同町仙石原)の7~10月の来園者数は、新型コロナウイルスの影響を受けながらも前年並みに戻った。箱根登山鉄道の全線運転再開や国の観光支援事業「Go To トラベル」が後押しした形だ。12月1日から冬季休園する同園は「来春からは展示をより充実させ、多くの方に楽しんでもらえるようにしたい」と意欲を燃やしている。

 今月中旬、標高約660メートルの同園ではすでに紅葉の見頃が過ぎたものの、多くの来園者の姿が見られた。家族3人で秦野市から訪れた女性(67)は「一足早い冬の訪れですね」と笑顔。桃色の鮮やかな果実をつけるマユミや、青紫のかれんな花を咲かせるリンドウなどを眺め、思い思いに園内を散策していた。

 来春見頃を迎える約2万株のミズバショウの防寒対策のため、職員らが水辺にネットを設置する姿も。来月にかけては周辺に落ち葉を敷き詰め、芽が冬を越せるよう守っていくという。

 同園は2015年の大涌谷の火山活動活発化などで来園者が減少。民間事業者が委託運営から撤退し、今年、町直営施設として再スタートを切った。同園によると、新型コロナによる緊急事態宣言を受けた4~5月の休業が大きく響き、今年3~10月までの来園者数は約4万1千人と昨年(約6万8千人)と比べ、約4割減となった。

 しかし、7月以降、箱根登山鉄道の運転再開や「Go To トラベル」の開始をきっかけに箱根を訪れる人が増加。7~10月に限れば、来園者数は計3万1622人と、昨年3万1200人から1.4%の微増と持ち直した。11月は前年比30%増を見込む。

 同園の山川誠治園長は「密を避けやすい屋外施設であることもあり、比較的コロナ禍の影響が少なかった」と推測。従来の団体客は見込めないが、路線バスや自家用車での来園者が増加傾向にあるという。

 来春からは体験型のワークショップや企画展などを実施する予定。山川園長は「感染予防に取り組みつつ、園内のさらなる充実を図っていきたい」と話している。

 営業は今月30日までで、入園料は大人500円、子ども300円。来年は3月20日から開園する。