全日本インカレバレー30日開幕 長崎国際大が男女出場

男子の主軸となるMB吉田(写真左)、女子を引っ張るエース千葉=佐世保市、長崎国際大体育館

 バレーボールの全日本大学男女選手権(全日本インカレ)は30日~12月6日、東京・大田区総合体育館を主会場に行われる。出場チーム数が例年の男女各64から36に縮小される中、県勢は長崎国際大が男女そろって九州4枠の出場権を得た。コロナ禍の影響で各種大会が中止となり、大学での活動も制限が続いた今季。唯一の公式戦に挑む選手たちの横顔を紹介する。

■男子 九州2位の雑草軍団
 部員36人中、約半数が県内出身者。ほぼ全員が高校時代に全国大会出場などの実績はない。この“雑草軍団”が「明るく元気に」をモットーに練習を重ね、昨秋の九州リーグ1部で2位に入った。4年連続で挑む全日本インカレに向け、主将のOH白石は「4年生7人にとっては最後の公式戦。初戦で大産大に勝って、3回戦で早大といい勝負をしたい」と目標を掲げる。
 身長190センチのMB吉田は、九州代表に選ばれている逸材。高さを生かしたスパイク、ブロックは強力で、前衛の主軸となる。クレバーなプレーで信頼を集める4年生は「個人的には仕上がってきている。格上相手に自分たちのプレーをやり切りたい」と気合が入る。
 今季は遠征や公式戦がなかったが、県内外の多くの高校との練習試合を通じて、試合勘を取り戻してきた。2年生セッター山本の速いトス回しから、コンビバレーを展開する。エース園田がポイントゲッター。MBは永谷、馬場、OHは高柳、山口らがポジション争いをして、総合力は上がってきている。
 就任6年目で47歳の坂本監督は、瓊浦高時代に野球からバレーボールに転向してインターハイも出場。大学卒業後は母校の東和大(福岡)、福岡国際大で監督を務め、長崎国際大では就任1年目の春リーグでチームを九州2部初優勝、1部昇格に導いた。
 九州学連の男子強化委員長も務める指揮官は「人間教育を重視している。普段の生活から気づく力や発想力を養い、チームプレーに生かしてほしい」と求めている。

■女子 打倒関東で日本一を
 昨年は優勝した筑波大と2回戦で対戦。日本一の実力を肌で知った。その時の主力が多く残った今季は「九州優勝」を目指したが、コロナ禍の影響もあって九州第3代表に。宮良監督は「こういう状況でも、こつこつ頑張って結果を残したと言えるように勝負にいきたい」と選手たちの奮起に期待する。
 自分たちで練習メニューを考えるスタイル。今季は「貫」をテーマに掲げ、最後までやり抜く姿勢を大切に取り組んだ。4、5月の自粛期間中も各自が自宅でトレーニングを継続。全体練習が再開してからは、充実した時間を過ごせた。
 4年生3人が柱となる。MB砂川は左利きの点取り屋。セッター鐘ケ江とエース千葉は、中学3年でメンバー入りした佐賀県選抜チームからコンビを組む仲だ。千葉は「準決勝からは応援が可能になる。全部出し切って、4強までは残りたい」と集大成の舞台に懸ける思いは強い。
 OHは攻守両面で安定感がある高比良、矢野、桑岡らが担う。MBはサイドから転向した山本が台頭。「戸惑いもあったけど、今はやるしかないと思っている。4年生のためにも頑張りたい」と力強い。パワフルな米川、高さのある栗原真も貴重な戦力。守備はリベロ有薗を中心に安定してきた。粘り強く拾ってつないでいきたい。
 2回戦からの登場で、初戦の相手は攻撃力がある愛知学院大。勝ち上がれば、日体大や順大と当たるパートに入った。主将の高比良は「気持ちを切り替えて頑張ってきた。関東勢に勝って優勝する」と燃えている。

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