ロッキーズ・アレナードのトレード 高額年俸が大きな障壁に

メジャーリーグ公式サイトのジョン・ポール・モロシは先日、ドジャースがノーラン・アレナード(ロッキーズ)をトレードで獲得することに興味を持っていることを報じた。しかし、「ESPN」のバスター・オルニーは、アレナードのトレードには「克服するのが不可能なほどの障壁が存在する」と指摘。アレナードは6年1億9900万ドルもの契約を残しているが、オルニーは「コロナ禍で縮小している球界の予算規模において、これは天文学的な金額だ」と述べている。

現在29歳のアレナードは、今季48試合に出場して打率.253、8本塁打、26打点、OPS.738を記録。開幕直後に左肩を負傷した影響もあり、打撃面では不本意な成績に終わったものの、守備面では例年以上の素晴らしい動きを見せ、メジャーデビューした2013年から8年連続となるゴールドグラブ賞に輝いた。8年間のメジャー生活で本塁打王3度、打点王2度、オールスター・ゲーム選出5度、シルバースラッガー賞4度、プラチナグラブ賞4度の実績を誇っている。

ロッキーズは2019年2月、アレナードと8年2億6000万ドルという巨額の長期契約を締結。ところが、アレナードは勝つ姿勢を見せない球団フロントの補強方針に不満を募らせており、2021年シーズン終了後にオプトアウト(契約破棄)の権利を行使する可能性が取り沙汰されている。ロッキーズとしてはオプトアウトで退団される前にトレードを成立させたいところだが、各球団がコロナ禍での減収に苦しむなか、高額年俸のアレナードの放出を実現するのは困難だ。

オルニーは「ドジャースはコリー・シーガーとの新たな契約とコディ・ベリンジャーとの大型契約のために資金を確保しておく必要がある」と指摘。ベリンジャーはサービスタイム(メジャー登録日数)が3年を超えて年俸が大きく上昇するフェイズに突入し、シーガーは来季終了後にフリーエージェントとなる。ドジャースにとって、アレナードの獲得よりもこれら2選手との契約のほうが優先順位が高いのは間違いないだろう。

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