遅咲きのヤストレムスキー「ジャイアンツに長く在籍したい」

1967年にアメリカン・リーグ三冠王に輝いたカール・ヤストレムスキー(レッドソックス一筋で23年間プレーした殿堂入り外野手)の孫として知られるマイク・ヤストレムスキー(ジャイアンツ)は、長いマイナー生活を経て、2019年にジャイアンツでようやくメジャーデビュー。今季はナショナル・リーグのMVP投票で8位にランクインするほどの活躍を見せた。そのヤストレムスキーは「可能ならばとても長い期間にわたってサンフランシスコに留まりたいと思っている」とジャイアンツへの愛着を語った。

現在30歳のヤストレムスキーは、2度のドラフト入団拒否を経て、2013年のドラフトでオリオールズから14巡目指名を受けてプロ入り。2016年の時点ですでにAAA級に到達していたものの、メジャー昇格を果たせないまま2019年3月にマイナーリーガー同士のトレードでジャイアンツへ放出された。

2019年は開幕をAAA級で迎え、40試合で打率.316、12本塁打、25打点、出塁率.414、OPS1.090の好成績をマーク。5月下旬にメジャーデビューを果たすと、107試合に出場して打率.272、21本塁打、55打点、OPS.852と持ち味を発揮し、一気にレギュラー定着を果たした。今季は四球率が前年から大幅に向上するなど、さらなる成長を見せ、54試合に出場して打率.297、10本塁打、35打点、OPS.968の活躍。出塁率は4割の大台に乗った。

もちろん、ジャイアンツにとってヤストレムスキーは必要不可欠な戦力だが、長期契約を急ぐ必要は全くない。ヤストレムスキーのサービスタイム(メジャー登録日数)はまだ2年にも達しておらず、ジャイアンツは少なくとも2025年シーズンまでヤストレムスキーを保有できるからだ。メジャー定着が遅かったため、2025年シーズン終了時にヤストレムスキーは35歳。現在の実力をキープしている保証はない。ジャイアンツへの愛着を語るヤストレムスキーだが、早い段階で長期契約を得られる可能性は低そうだ。

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