2021年オフ 殿堂入り候補の4投手が同時にFA市場に登場

1年後のフリーエージェント市場は遊撃手が豊作であることが注目されている。ハビアー・バイエズ(カブス)、カルロス・コレア(アストロズ)、フランシスコ・リンドーア(インディアンス)、コリー・シーガー(ドジャース)、トレバー・ストーリー(ロッキーズ)という5人のスター遊撃手が同時にフリーエージェントとなるからだ。しかし、注目すべきポイントはそれだけではない。将来のアメリカ野球殿堂入りを有力視される4人のベテラン先発投手が同時にフリーエージェントとなるのだ。

その4人の投手とは、クレイトン・カーショウ(ドジャース)、マックス・シャーザー(ナショナルズ)、ザック・グレインキー(アストロズ)、ジャスティン・バーランダー(アストロズ)だ。カーショウは2022年シーズンの開幕時点で34歳。まだ数年は先発ローテーションの中心的存在として活躍を期待できるだろう。今季は10試合に先発して58回1/3を投げ、6勝2敗、防御率2.16、62奪三振を記録。フリーエージェントとなる前にドジャースと契約を延長する可能性もありそうだ。

2022年シーズン開幕時点でシャーザーは37歳、グレインキーは38歳となる。シャーザーは今季12試合に先発して67回1/3を投げ、5勝4敗、防御率3.74とやや数字を落としたが、92個の三振を奪い、奪三振率12.30は例年通りの水準。自慢のパワーピッチングをどこまで維持できるかがカギとなる。一方、グレインキーは今季12試合に先発して67回を投げ、3勝3敗、防御率4.03、67奪三振とこちらもやや不本意な成績。とはいえ、力に頼らない巧みなピッチングを見せる投手のため、大きな故障がなければあと数年は先発ローテーションの一角を担えるだろう。

問題は2022年シーズン開幕時点で39歳のバーランダーだ。今季は右前腕痛によって長期離脱し、登板は開幕戦の1試合のみ(6回3安打2失点で勝利投手)。レギュラーシーズン終了後にトミー・ジョン手術を受け、来季を全休することが確実視されている。登板がないままフリーエージェントを迎えるため、どんな契約を得られるかは全くの未知数。トミー・ジョン手術を経た39歳の投手がエース級の実力をキープできるかどうかも不透明だ。バーランダーの獲得を狙うチームは出来高に比重を置いた1年契約をオファーすることになるのではないだろうか。

© MLB Advanced Media, LP.