ホッケー元五輪選手が指導 東彼・川棚で教室 小中学生60人、交流戦も

交流戦で競り合う川棚と大分の選手たち=川棚大崎自然公園交流広場

 日本ホッケー協会主催の「夢見るジュニアホッケー教室」が28日、長崎県東彼川棚町の川棚大崎自然公園交流広場で行われ、長崎、佐賀、大分から集まった約60人の小中学生が、元五輪選手の岩尾幸美さんから技を学び、交流戦を楽しんだ。
 来年夏の東京五輪を前に、子どもたちのホッケー熱を高めようと、今年から同協会が全国各地で実施中。県内では初開催で、今回は「ホッケーの町」を掲げ、町教委が小学校で教室を開くなど普及に力を入れる川棚町が会場となった。当初は九州全域を対象に1泊2日の合宿を計画していたが、コロナ禍の影響もあり、規模を縮小する形で開催にこぎ着けた。
 講師を務めた岩尾さんは大分県出身で、2004年アテネ、08年北京、12年ロンドン五輪の3大会に出場したオリンピアン。ボールをスティックで止める「レシーブ」の大切さをはじめ、視線を落とさずに「相手、スペース、味方の三つを見ることを意識して」と周りを見ながらプレーするように呼び掛けた。
 午後からは交流戦も行われ、参加者は仲間たちと懸命にボールを追い、パスをつないでゴールを目指した。今季はコロナ禍で小中学生の公式戦がほとんど中止となったため、今回がデビュー戦の選手もいた。
 川棚小6年の長谷心那さんは「大分や佐賀の選手と試合ができるのを楽しみにしていた。岩尾さんは目線をそらして、フェイントをかけるのがうまくて勉強になった」と声を弾ませた。来場した日本ホッケー協会の瀧上正志常務理事は「オリンピアンが伝える言葉には力がある。ここにいる子どもたちは24年パリ、28年ロサンゼルス五輪世代。大きな目標を持って楽しんでほしい」と次代のスター候補たちに期待を寄せていた。

模範プレーを見せる元五輪選手の岩尾さん=川棚大崎自然公園交流広場

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