V長崎・エジガルジュニオ 「マジカル」な活躍

加入後8試合で5ゴールを挙げ、昇格争いの原動力になっているエジガルジュニオ=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

 1カ月前に期限付き移籍で加入したFWエジガルジュニオが、V長崎のカンフル剤になっている。8試合に出場して早くも5ゴール。点を決めた試合はすべて勝つという活躍ぶりで、昇格圏を猛追する3位チームの原動力になっている。
 加入発表のわずか3日後に行われた第30節水戸戦で、あいさつがわりのヘディング弾。第32節群馬戦は0-1からの2得点で逆転劇の立役者となるなど、あっという間にチームに欠かせない存在となった。直近の第37節新潟戦では、クロスボールに体ごと飛び込んで勝負を決定付ける2点目のゴール。その際に相手と激しく接触して頭部から流血したが、何よりチームの勝利を喜んでいた姿が印象的だった。
 手倉森監督の得意なダジャレもさえる。「素晴らしい。“マジカル”ジュニオです」。29歳のストライカーは好調なV長崎の中心にいる。
 昨季、横浜FMで16試合11ゴールを記録。チームの15年ぶりのJ1制覇を支えた。けがでシーズン中盤以降を棒に振ったため、得点はすべて第20節までに記録したという点が逆にすごさを際立たせる。「とにかく試合に出れば点を取る」という決定力で、一時は得点王争いのトップを走っていた。
 そんな魅力的な選手が横浜FMを離れたのは、外国人登録枠の兼ね合いが理由だったが、得点力不足に苦しんでいたV長崎にとってはこれ以上ない補強。シュート技術、ポジション取り、周りを生かす力と、どれを取っても能力が高く、他の選手のお手本になっている。
 加入会見で「クオリティーの部分で違いを見せたい」と所信表明し、ここまでは有言実行の働きを見せている背番号「25」。残り5試合。ブラジル出身の昇格請負人から目が離せない。

© 株式会社長崎新聞社