三菱パワーがフィリピンの地熱発電改修受注 長崎工場でタービン設計

長崎から蒸気タービン機器が供給されるフィリピンのマクバン地熱発電所(三菱パワー提供)

 三菱パワー(横浜市、旧MHPS)は1日、フィリピンのマクバン地熱発電所1号機の設備改修工事を受注したと発表した。長崎工場(長崎市)は蒸気タービン機器の設計や交換品製作を担う。
 同発電所は首都マニラの南東にあり、三菱パワーは1979年の1号機以来、計10機を納入した。今回は蒸気湧出量の減衰に対応し、出力を6万3千キロワットから4万キロワットに引き下げ、蒸気消費の効率化を図る。一括受注契約で、同社現地法人が据付工事を担当する。
 地熱発電は二酸化炭素(CO2)を排出しない再生可能エネルギーで、太陽光や風力と比べ天候に左右されにくく24時間安定発電できるのが長所。一方で自然変化時に改修が必要となる。
 三菱パワーによると、これまで13カ国・地域で100件以上の受注実績があり、タービンのほとんどが長崎工場製。供給量(総出力)は320万キロワットを超え、世界トップクラスを誇る。今後も新設と併せて、今回のような運用性改善の受注増を目指す。


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