DJI、DJI製ドローンによる人命救助、累計500件を突破

DJIは、500名を超える人々がドローンによって危機的状況から救出されたことを最新の統計レポートで発表した。

500件目の救助事例は、2020年10月11日にミズーリ州カス郡にて発生。保安官補が赤外線サーマルカメラXT2を搭載したDJIのドローン「Matrice 210」を使用し、ミズーリ州の明かりのない原野で行方不明になっていた93歳の女性を発見した事例により、ドローンによる救助事例数は新たなマイルストーンを達成した。アジア太平洋地域だけでも、オーストラリア、中国、香港、インド、マレーシア、パキスタン、韓国において45件の救命事例が発生している。

行方不明の93歳女性(図下)に近づく2人の保安官補(図上) 夜間に赤外線サーマルカメラを搭載したドローンで動画撮影(出典:ミズーリ州カス郡保安局)

カス郡保安官事務所が公開した赤外線サーマルカメラによる救助映像によると、ドローンが暗闇の中で発見した93歳の女性を黄色で示し、地上にいる保安官補が彼女のところまでたどり着くようガイドしているのが分かるという。「この小さな黄色い点が、捜索中の人物の居場所を示しているため、捜索活動に非常に役立っています。」とドローンパイロットのKevin Tieman保安局長は地元テレビ局に説明した。

9月30日、クロアチアのスプリトにおいて、クロアチア マウンテン レスキューサービスは自殺を示唆して家を出た男性を救出し、494件目の救助事例を完了した。この事例では、レスキューサービスはDJIの「Mavic 2 Enterprise Dual」を使用し、防波堤の端に座っている男性を発見した。

また、9月10日、中国海南島のボアオでは、救助隊がDJI製ドローンを使用し、海流に流され海岸までたどり着けなくなっていた 3名のサーファーを発見し救出。この3人はドローンによって救出された488、489、490人目の人物となった。

DJIは、世界中で行われた救助事例をDJIドローン救助マップに掲載しており、警察、消防隊、救助部隊、現場に居合わせた人がドローンを使用して人を危険から救った事例を、2013年の第一例から現在は300件以上までマップ上で追跡できるようになっている。これまでドローンは、明かりのない場所で人々を発見、救助隊が荒地での救助ルートを計画するのに役立ち、溺れている人のもとへ救助隊を導き、身動きの取れない人に物資を届けるなどの実績がある。

DJI公共安全インテグレーション担当シニアディレクターのRomeo Durscher氏は次のようにコメントしている。

数年前までは、ドローンは公共安全分野のイノベーターのための実験的な技術に過ぎず、ドローンを所有している市民がボランティアとして緊急時に専門家をサポートしていただけでした。今日、世界中の公共安全関連機関はドローンを標準的な機材の一つとして採用しており、ドローンは数日おきに人々を危険から救出しています。公共安全分野において、またドローンよって命を取り留めた人々にとって、これはめざましい成功事例です。

DJIは、警察、消防署、ボランティアの救助隊など、信頼性のある情報源から取得したニュースストーリーとソーシャルメディアの投稿を収集し編集している。DJIドローン救助マップ上の各項目には、インシデントが発生した場所と日付、簡単な説明、情報源となるストーリーまたは投稿へのリンク、および、それらのインシデントをオンラインで容易に共有する方法が含まれている。

このマップとDJIの集計には、ドローンが単に大規模な捜索プロセスの一部として使用されているようなインシデントは含まれていないという。ここで対象となるのは、ドローンが危険に晒された人を直接見つけたり、支援したり、もしくは救助したりしたケース。DJI政策&法務担当バイスプレジデントのBrendan Schulman氏は次のようにコメントしている。

基本法を遵守した救助活動で、500人以上の人々がドローンによって救出されていることを考えると、ドローン使用に対し、ある程度寛容で合理的な規制が実際に人命を救い、また、夜間や人々の頭上でのドローン飛行が大規模で許可された場合、それがどれだけ有益な結果をもたらすかということは明らかです。

しかし、現在ドローン技術へのアクセスを禁止または制限しようとする方針や、公共安全関連機関がドローンのような機材を使用する費用を値上げしようとする方針により、成功事例が示すような緊急時におけるドローン使用が社会にもたらすであろう重要な利益は危険に晒されています。

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