子どもたちへ核なき世界を 被爆者の朝長さん 福岡で講演

講演する朝長さん=福岡市博多区、博多市民センター

 福岡市原爆被害者の会博多区支部は、核兵器廃絶への願いをつなぐ集い「被爆75年を振り返って 未来の子どもたちへ平和のバトンを! 文化のつどい」を福岡市内で開き、日赤長崎原爆病院名誉院長で被爆者の朝長万左男さんが講演した。朝長さんは来年1月に発効する核兵器禁止条約について「第2ステージの核廃絶運動が始まる。核なき世界に向けたシナリオをみんなで考えたい」などと話した。
 同条約は批准数が発効に必要な50カ国・地域に達したが、核保有国や日本は参加していない。朝長さんは「核兵器はわれわれの研究からも非人道的な兵器だとはっきりしている。条約に加入しないこと自体が非人道的だ」と強調。核保有国や日本を参加させるための働き掛けが必要だと訴えた。最後に「今の子どもたちが社会を担う30年後には、核なき世界が到来していることを願う」と締めくくった。
 集いは、被爆75年の節目に若い世代に思いを継承しようと企画。支部の活動を振り返り、平和授業の感想文を小学生が発表し、中学校吹奏楽部の演奏などもあった。

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