住民の真意確認へ 中村法道知事、石木ダム巡る対話向け

 定例県議会は3日、一般質問を続行し、4人が登壇。長崎県と佐世保市が東彼川棚町に建設を予定している石木ダム事業について中村法道知事は、現在も水没予定地に暮らす住民が「事業の白紙撤回が県との対話の条件ではない」との趣旨を本紙のインタビューで答えたことについて、真意を確認した上で今後の対応を検討する意向を明らかにした。

 県議会一般質問で堀江ひとみ議員(共産)に答弁した。
 知事は昨年9月、建設に反対する水没予定地の13世帯の住民と対面。住民側の話に耳を傾けたが、自分の思いを伝えられなかったという。その後も面会を継続したいとの提案があり、知事も機会を設けたいと手紙や職員を通じて伝達。だが「工事中止と事業の白紙撤回が条件」とされたといい、面会は実現していないという。
 これに対し住民の1人は先月の本紙のインタビューで「県は『白紙撤回』が条件ととらえているようだが、そんなことは言っていない」と答えた。
 堀江議員は「工事を中断する考えはあるのか」と質問。知事は「まずは直接真意を確かめたい」と述べるにとどめた。知事権限で家屋などを撤去できる行政代執行については「それ以外に解決の方策がないという段階で改めて総合的かつ慎重に判断する。円満に土地を明け渡してもらうのが最善との考えに変わりはない」と答弁した。

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