小学校へ7年間で2000冊 新聞配達の収入で本贈り続けた男性の思い

 那覇市古島の松田義之さん(75)は11月27日、那覇市立松島小学校(多和田悦子校長)に本100冊を贈り、同校への寄贈が2千冊を超えた。同日、松田さんへの感謝を伝えようと図書委員によるセレモニーが同校で開かれ、多和田校長が松田さんに感謝状を手渡した。松田さんは琉球新報の新聞配達で得た収入を図書の購入資金に充てており、「次は3千冊を目標に頑張りたい」と話した。

 松田さんは那覇市立病院前で約30年間、交通指導をし、松島小の児童を見守ってきた。ある時、児童が抱えていた本がぼろぼろになっていることに気付き、「ぼろぼろになるまで本を読む子どもたちのために何かしたい」と本の寄付を始めた。読書感想画や感想文の指定図書、教員らがリストアップした本を2013年から年2回、約100冊ずつ寄付している。松島小の図書館には「松田文庫」と名付けられたコーナーがあり、松田さんが寄贈した本が並んでいる。

 セレモニーで図書委員長の藤墳海穂さん(12)は「2千冊以上の本をくださり、ありがとう。この本を学習に役立てたい」と感謝を伝えた。多和田校長は「全校児童が松田文庫を楽しみに活用している。100冊が新たに加わり、子どもたちも喜ぶと思う。これからも松島小の応援団でいてほしい」と話した。

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