本厚木駅周辺などで浸水対策 貯留管工事、シールドマシンを搬入

クレーンでつられ、坑内に搬入されるシールドマシンの先端部=厚木市寿町の市中央公園(市提供)

 厚木市は小田急線本厚木駅周辺など市街地の浸水被害対策として、地中に一時的に雨水をためる貯留管の敷設工事を進めている。3日には同市寿町の市中央公園敷地内の地下坑内に掘削用のシールドマシンを搬入した。

 貯留管は円筒形で、内径2.4メートル、長さ約1.1キロ。総工費は約25億円で、2023年3月の完成を予定している。完成すれば学校にある一般的なプール(容量360立方メートル)14個分に相当する約5100立方メートルの雨水をためることが可能という。

 市内では13年4月に、1時間当たり最大65ミリの大雨が降り、本厚木駅南口周辺で30~40センチの浸水被害が起きた。これを受け、市は19年9月、「あさひ公園」(同市旭町)の地下に容量1万4800立方メートルの雨水貯留施設を建設した。

 市によると、貯留管が完成すれば、貯留施設と合わせて13年のような大雨に見舞われても、同駅南口周辺の浸水を10センチ以下に抑えられると見込んでいる。

 搬入されたシールドマシンは地下の坑内で組み立てられ、来年3月末ごろから掘削作業を始める予定。作業は地下約8メートルで行われ、直線部では1日10メートルのペースで掘り進めることを想定している。

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