“投打の”マルティネスら育成出身台頭も5選手が戦力外…助っ人診断【中日編】

中日のアリエル・マルティネス(左)とダヤン・ビシエド【写真:荒川祐史】

R・マルティネスは守護神担い抜群の安定感、2年目のロメロは期待外れ

ソフトバンクの4年連続日本一で幕を閉じた2020年のプロ野球。シーズンオフに入り、各球団は本格的に来季の戦力編成に着手している。すでに来季の新助っ人が決まった球団もあり、今後は続々と発表されていくことだろう。

では、12球団の助っ人外国人は今季、どれほどの活躍を見せたのだろうか? 各球団の助っ人たちの成績を検証し、その働きを診断していってみよう。今回は8年ぶりにAクラス入りを果たした中日だ。

○投手
ルイス・ゴンサレス(5000万円)
28試合0勝0敗0セーブ4ホールド 防4.78

ヤリエル・ロドリゲス(1500万円)
11試合3勝4敗0セーブ0ホールド 防4.12

エンニー・ロメロ(6000万円)
1軍登板なし

ライデル・マルティネス(6000万円)
40試合2勝0敗21セーブ7ホールド 防1.13

支配下になって3年目のR・マルティネスは、シーズンを通してブルペン陣を牽引。開幕当初に守護神だった岡田が不調のためクローザーを担った。160キロ超の直球を軸に、リーグ2位の21セーブを挙げた。防御率も圧巻の1.13をマーク。最優秀中継ぎのタイトルを受賞した福、祖父江とともに勝利の方程式を担った。

来日1年目の昨季に21試合に登板して8勝を挙げたロメロは、左肩の炎症で開幕前に離脱。結局1軍登板なしに終わり、退団となった。来日1年目のゴンサレスはフル回転を期待されたが、安定感に欠ける結果に。シーズン途中に支配契約を勝ち取ったロドリゲスは終盤にかけローテの一角を担い、11試合に登板して3勝を挙げた。

主砲ビシエドは打線を牽引、A・マルティネスは20年ぶり外国人捕手に

○野手
ソイロ・アルモンテ(1億5000万円)
69試合214打数63安打9本塁打29打点 .294

モイセ・シエラ(2500万円)
25試合80打数18安打1本塁打7打点 .225

アリエル・マルティネス(1500万円)
39試合95打数28安打2本塁打13打点 .295

ダヤン・ビシエド(3億5000万円)
109試合409打数109安打17本塁打82打点 .267

チーム本塁打が12球団ワーストの70本塁打ながら、来日5年目を迎えたビシエドが開幕当初から4番として奮闘。チーム最多の17本塁打、82打点をマークした。一塁の守備でも献身的なプレーでチームを支えたが、シーズン終盤に左肩を負傷。来季への影響が気になるところだ。

来日3年目のアルモンテは7月に故障で離脱し、10月にも下肢のコンディション不良で出場選手登録抹消に。相次ぐ故障に泣かされ2年連続で規定打席には届かず、今季限りでの退団とはなった。A・マルティネスは7月に支配下を勝ち取り、NPBの1軍では20年ぶりの外国人捕手が誕生。故障離脱はあったものの、勝負強い打撃も披露し、来季以降の正捕手争いに名乗りを挙げた。3月に支配下契約を結んだシエラは外野の一角を担うことはできず、今季限りでの退団となった。

今オフは、育成を含め投打5人の外国人選手が戦力外に。助っ人たちにとっては、明暗が別れたシーズンとなった(金額はすべて推定)。(Full-Count編集部)

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