鷹、若手8選手が契約更改 19年ドラ1佐藤は100万円減、2年目の奥村は現状維持

契約更改交渉を行ったソフトバンクの佐藤直樹、奥村政稔、増田珠、九鬼隆平(左上から時計回り)【写真:藤浦一都】

佐藤、奥村のほか田浦、九鬼、小林、水谷、谷川原、増田がサイン

ソフトバンクは4日、福岡市内の球団事務所で8選手が契約更改交渉を行い、来季の契約を結んだ。ドラフト1位のルーキーイヤーを終えた佐藤直樹外野手は100万円ダウンの1500万円で更改。高卒4年目の九鬼隆平捕手は30万円アップとなった。各選手は来季に向け、抱負を語った(金額は全て推定)。

・佐藤直樹(1,600万円→1,500万円)

今季は1軍出場なしに終わったが、2軍戦に59試合に出場して打率.229、3本塁打、23打点を記録。20盗塁でウエスタン・リーグの盗塁王に輝いた。2軍での20盗塁は成功率10割で積み上げた数字だが「走塁技術はまだまだ」とさらなる成長を目指す。守備についても「肩が強いだけではダメ。送球の正確性などを含めて、もっとレベルアップしたい」と語った。

来季の課題は打撃面。シーズン終盤の10月には月間打率.310を記録し、手応えも感じている。打撃向上のきっかけは、9月に長谷川勇也が教えを受けたことだという。「それまで来た球を何となく打ちにいっていたんですが、長谷川さんから『自分が決めたところをしっかり打ちにいくように』と言われました」と佐藤。「もう夜遅くだったんですけど」と、時間を気にせず真剣にアドバイスしてくれた長谷川に感謝する。来季については「まずはキャンプからしっかりアピールして、開幕1軍に入ること。そして1年間ケガせず、できるだけ長く1軍にいたい」と意気込んだ。

・田浦文丸(580万円→560万円)

昨季は1軍も経験したが、今年は腰の痛みもあって3軍戦で13試合、2軍戦で1試合の登板に終わった。「悔しい1年だった」という田浦は「もっと上を目指して、土台をしっかり積み上げたい」と強調。オフは同じ左腕の嘉弥真新也のもとで自主トレを行う予定で「4年連続で50試合に登板されているので、身体作りを学びたい」。来季の目標には「1軍のマウンドで投げること」を掲げた。

・奥村政稔(1,000万円→1,000万円)

今季は1軍で5試合に登板したが定着することはできず、その後は2軍戦で22試合に登板。防御率は2点台だったが「点は取られていないが、テンポが悪い。(味方の)打線が集中できるような投球をしないとダメ」と、数字以外の部分が1軍定着できなかった理由と分析する。オフには制球力向上をテーマに「投げっぷりがいいところは同じ」という森唯斗とともに自主トレを行う予定。3年目の来季は「1年を通して1軍に定着したい」と意欲を示した。

プロ初安打を本塁打で飾った九鬼は9月に手術「春季キャンプに照準」

・九鬼隆平(620万円→650万円)

今季は7月にプロ初安打を初本塁打で飾ったが、9月3日に登録抹消。同30日に頸椎前方除圧固定術と自家骨移植を受け、復帰まで約6か月とされた。手術から2か月が過ぎ「経過は順調で、走ったりキャッチボールしたりもできている」と表情は明るく「春季キャンプに照準を合わせていきたい」と話した。日本シリーズ第4戦を現地で観戦し「より一層あそこでやりたいと思った」と、1軍定着への熱い思いを口にする。今季の1軍経験で「場慣れしたというか、これまでより自分の力が出せそう」と、自信を持ってプロ5年目の来季に臨んでいく。

・小林珠維(460万円→470万円)

1年目の小林は3軍戦で36試合に出場し、2軍戦も2試合経験。「大きなケガなく1年やれて吸収できたものもたくさんある」とルーキーイヤーを振り返った。「プロの投手のスピードに追い付けなかった。スピードと正確性に慣れていきたい」と課題ははっきりと見えている。オフは北海道の帯広のジムに通ってパワーアップを図り、年明けからは筑後でトレーニングを続ける予定。「春のキャンプでいいアピールができるように。2軍でプレーしていずれは1軍に上がりたい」と2年目の抱負を語った。

・水谷瞬(500万円→520万円)

2年目の水谷は3軍で打率.358の好成績を残し、2軍戦50試合に出場。打率.250ながら4本塁打を放った。「去年に比べれば成長できたと思う」としながらも「松田さんと牧原さんに言われたノルマ(2軍に定着して50安打、1軍でヒット1本)を全然達成できず、納得できないシーズンだった」と反省。来季はメンタル面での成長を含めて、さらなる飛躍を目指す。「まずは2軍の成績の倍増を目指して、今年は3軍に近い2軍だったが来季は1軍に近い2軍でいたい。もちろん、1軍昇格も目指していく」と力強く語った。

・谷川原健太(600万円→630万円)

6年目の谷川原は2軍戦70試合に出場。捕手だけでなく、外野の3ポジションと二塁も守り、3軍では遊撃も経験したという。「自分にとっては可能性が広がるとプラスに考えてやってきた」とし、今年ブレークした栗原陵矢は「いい手本として負けないようにやっていきたい」と語る。オフは昨年同様、柳田悠岐の自主トレに参加予定。来季は「打率3割を目標に、二塁打や三塁打を増やしたい。盗塁も20個以上はしたい」と“長打が打てて、どこでも守れて、いっぱい走れる”マルチすぎる捕手を目指していく。

・増田珠(660万円→660万円)

増田は昨年11月に右手首手術を受け、8月の3軍戦で実戦に復帰。その後、2軍戦8試合に出場して打率.333を記録した。「(復帰した)序盤はいい状態ではなかったが、(11月の)フェニックス・リーグの頃にはいい感じで打つことができた」と完全復活に手応えを感じている。その自信の後押しになったのが、長谷川勇也からの突然の電話だった。「日本シリーズの最中にもかかわらず、フェニックスでの僕の打撃を見ていただいて『この感じでいいからボールとの距離や間合いを固めていければいい』と言っていただいた」と増田。来季は「1年間ケガせず、1軍で初安打を打てるように頑張りたい」と意気込みを口にした。(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

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