「GoTo」延長に長崎県民の反応は? 観光関係者は歓迎、感染拡大に懸念も

 国の観光支援事業「Go To トラベル」について、赤羽一嘉国土交通相が来年6月末をめどに延長を表明したことを受け、県内の観光団体などは歓迎する半面、人の動きが活発になることで新型コロナウイルスの感染拡大を懸念する声も上がった。
 県旅館ホテル生活衛生同業組合の村木營介理事長は「延長はありがたい。地域も観光客増への期待は大きいが、感染者が増える可能性もある。各施設でしっかりコロナ対策をしてお迎えしたい」と話す。
 雲仙市の雲仙温泉街では11月から客足が回復し、平日でも地獄巡りをする観光客が増加。年末年始の予約はどの旅館もほぼ満室で、例年通りの状態を取り戻しつつある。同温泉観光協会の宮崎高一会長は「波及効果は温泉街全体に及び、本当に助かっている。閑散期に入る2月からの延長は特に効果が大きい」と歓迎。「引き続き感染防止策を徹底し、安心して訪れてもらう環境づくりに努める」と気を引き締める。
 一方、市民からは感染拡大を不安視する声も。佐世保市上柚木町の会社員、富永大輝さん(24)は「感染拡大地域以外ではどんどん使ってよいと思うし、自分も利用したい」と歓迎する一方、「どれくらい感染が拡大したら対象から外すのかを明確にしておくべき」と注文を付けた。
 西彼長与町の専門学生、吾妻勇之進さん(20)は、「延長するなら感染予防対策をしっかり示してほしい」と要望。長崎市中心部で売り上げが回復しつつあった「チリンチリンアイス」の販売員、秋山凌真さん(21)は「接客業なので感染が心配だが、売れないよりはいい」と複雑そうな表情を見せた。

 


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