鳥インフルの警戒強める 長崎県内業者「どこで発生してもおかしくない」

 高病原性鳥インフルエンザの感染確認が各地で相次いでいる。11月下旬以降、福岡、宮崎県でも確認されており、県内で養鶏が盛んな島原半島の従事者は警戒を強めている。島原市で約2万羽の採卵鶏を飼育している男性(50)は「今のところうちに異常はないが、どこで発生してもおかしくない」と不安を口にした。
 県南家畜保健衛生所によると、2019年4月1日現在、島原半島では採卵鶏が130万羽、ブロイラーが160万羽飼育され、県内の約8割と約5割を占める。養鶏農場は63戸に上り、県内の半数超に当たる。
 県は11月下旬から、一定規模以上の県内の生産者に消毒用の消石灰を配布。島原市内では同月、県や養鶏関連団体が防疫対策会議を2回開き、感染が疑われた際の初動態勢の確認や情報の周知徹底を図っている。
 各養鶏農場では、防鳥ネットを再点検したり、鶏舎の周囲や養鶏場出入り口に消石灰をまいたりしているほか、車のタイヤに消毒液を散布するなど感染防止に努めている。「できることは消毒の徹底しかない」と関係者は口をそろえる。
 全国に鶏卵を出荷する同市の男性は、「県内で発生したら風評被害が心配。地域ぐるみで防がないといけない」と訴えた。野鳥がウイルスを運ぶ可能性もある中、気掛かりは「毎年冬、諫早湾干拓の調整池に飛来するカモの群れ」と危機感を募らせる。

 


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