1シーズンで全打順本塁打を達成した選手は過去に3人

メジャーリーグには様々な打順を担って活躍してきた選手がいる。たとえば新庄剛志はメジャー3年間で1番から9番まで全打順でのスタメン出場を経験している。メジャーリーグ公式サイトのサラ・ラングスは、こうした「打順」に関する記録にスポットを当ててメジャーの歴史を振り返っている。そのなかで「1シーズンで全打順スタメン出場」を達成した選手が72人(77度)、「1シーズンで全打順本塁打」を達成した選手が3人いることが判明した。

AJ・ポロック(ドジャース)は今季、60試合制という短縮シーズンにもかかわらず1番から9番まで全打順でのスタメン出場を経験した。最多は6番の13試合、最少は2番と9番の1試合だ。ラングスによると、1900年以降の近代野球において「1シーズンで全打順スタメン出場」はポロックが72人目(77度目)。ただし、1904年のラビット・ロビンソン(タイガース)を除く76度は、アメリカン・リーグで指名打者制が導入された1973年以降に達成されている。

「どの打順でも任せられる」という意味でのユーティリティ・プレーヤーは近年増加しており、2019年には史上最多となる12人が「1シーズンで全打順スタメン出場」を達成。うち11人は主に指名打者制のあるア・リーグでプレーした選手であり、ナショナル・リーグの選手はエンリケ・ヘルナンデス(ドジャース)だけだった。

ヘルナンデスは2017年と2018年にも達成しており、1人で3度は史上最多。ヘルナンデス以外には、ジョシュ・レディック(2017年と2019年)、ロビー・グロスマン(2017年と2018年)、デーブ・バーグマン(1988年と1989年)の3人が2度ずつ達成している。

一方、「1シーズンで全打順本塁打」はもっと珍しい記録だ。ラングスによると、これを達成したのは2003年のスティーブ・フィンリー(ダイヤモンドバックス)、2017年のイアン・ハップ(カブス)、2019年のブライアン・グッドウィン(エンゼルス)の3人だけ。グッドウィンは指名打者制のあるア・リーグでプレーしていたが、フィンリーは守備交代で途中出場したあと、ハップは代打で登場してそれぞれ9番打者として本塁打を放ち、珍記録の達成につなげた。

ちなみに、1900年以降の近代野球において1番から9番までの全打順で通算10本以上の本塁打を放っているのは主にレッドソックスで活躍したドワイト・エバンスだけ。通算385本塁打のエバンスは、2番打者として放った99本塁打が最多。最少は4番と9番の14本塁打だった。

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