【世界ひとり飯41】台鐡弁当と台北のなぜか昭和なパイクーハンの専門店

世界50カ国以上を一人旅した筆者が、世界で出会い心に残った料理をご紹介。今回ご紹介するのは豚肉を揚げた台湾の「排骨(パイクー)」です。豚のTボーンに衣をつけて、パン粉はつけずに揚げたものが排骨。日本の中華料理店でも豚肉を同じように揚げて麺の上にのせた「パーコー麺」があったりするので、馴染みのある方も多いと思います。

台湾鐡道「台鐡」の駅弁で排骨飯を!

ご存じの通り、台湾にも新幹線が走っていて、「台湾高速鉄道」が北は台北から南は高雄までの約350キロを最速1時間30分で結びます。日本の新幹線の技術が使われていて、客車の中は日本の新幹線そのもの。

そして、「駅弁」があるのも日本にそっくり。20世紀初めの日本統治時代に始まった駅弁文化。いまでも車窓を眺めながらのお弁当が旅気分を盛り上げます。

筆者が乗ったのは台湾南部の「台南」駅。そこの売店で売られていたお弁当から、おいしそうな排骨飯(パイクーハン)弁当を買い込んで、列車に乗り込みました。「臺鐡便當」と書かれた袋に入ってます。弁当の弁の字が「便」なんですね。ちょっとした発見でした。

じゃん!丸いわっぱのようなお弁当箱に、骨付きの豚肉に味をつけて揚げて、さらにたれにくぐらせたパイクーが、敷き詰められたごはんの上にのっています。味付けたまごに、魚のフライ、ブロッコリー、たくあんも見えます。

おいしい。そして、この丸い容器がなんだか和むシェイプ。台南から台北までの1時間半があっという間に感じられました。価格は100元(約370円)ですから、お得感もあります。

東一排骨はバブル感あふれるパイクーハン専門店

上の画像をご覧ください。西門駅の西側には、台北で一番の若者の街「西門」があるのですが、東側のちょっと落ち着いた街並みにあるのが、この「東一排骨総店」です。街並みは落ち着いているのですが、店内のインテリアがこの通り。ド派手なんです。

「バブル」は日本の1980年代後半の好景気ですが、まさにその頃を彷彿させるキラキラとした内装。そして500席はあるというフロアは広くて圧巻です。大箱のディスコが思い出されるという方もいるのでは。

ドリンクのカウンターはこちら。店員さんが運んでくれます。ちょっと派手なフードコートといった雰囲気もあります。

お目当ての「排骨飯」がこちら!このお店は、揚げてからたれをくぐらせないタイプで、さっくりとした食感でいただけます。きゅうりと、福神漬けみたいな漬物と。ごはんは別盛で、台湾名物の肉を煮てご飯にかけた魯肉飯です。そこにキャベツや、ブロッコリーと茄子を炒めたものがのってます。これは、ごちそう感たっぷりです。

やっぱり骨付きだとおいしさが違うと思います。骨の周りの肉から、豚肉の旨さがしっかり感じられるからでしょうか。魯肉飯もしっかり楽しめて150元(約550円)だから、かなりうれしいコスパでした。

東一排骨総店

住所:台北市中正區延平南路61號2樓

電話:+886 2 2381 1487

営業時間:10:00〜22:00

定休日:月曜

[All photos by Atsushi Ishiguro]

© 株式会社オンエア