「認知症高齢者任せて」 宮崎市のスーパー対応訓練

認知症高齢者への接客を学んだマックスバリュ島之内店の対応模擬訓練

 宮崎市のスーパー、マックスバリュ島之内店(桑原英雄店長)の店員らが、認知症高齢者への対応法習得に取り組んでいる。地域貢献の一環で、これまでに全員が認知症サポーター養成講座を受講。認知症高齢者への対応訓練も実施した。市介護保険課によると、市内の商業施設内で同様の訓練が行われたのは初めて。
 2018年に店員が地域の認知症サポーター養成講座を受けたのがきっかけ。店全体で取り組もうと同年に2回、昨年に1回、店員対象の養成講座を企画し、パートを含む全従業員56人が受講した。
 「実際に対応を体験しないと身に付かない」との考えから、住吉地区地域包括支援センター、同地区社会福祉協議会の協力を得て、11月28日に認知症高齢者に対応するための模擬訓練を実施。同社協の企画員が認知症の高齢者役となり、店員8人が声掛けの仕方などを学んだ。
 同じ商品を大量に買い物籠に詰める企画員の姿に気付くと、店員は声掛けをしてレジ脇に案内。名前を尋ねるなどした後、警察に連絡する手順を確認した。同店の江藤亜耶さん(33)は「声掛けを体験したことで、対応に自信がついた」と話していた。
 同店は全ての店員が訓練に参加できるよう、訓練などを定期的に実施する考え。桑原店長(52)は「地域では高齢化が進んでいる。店内で認知症高齢者を見掛けた際に的確な対応ができるよう、継続して学んでいきたい」と抱負を語った。

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