横浜市中区にある29の保育園の年長児計約420人が、駅伝をテーマにした巨大絵の制作に取り組んだ。恒例の駅伝大会は新型コロナウイルスの影響で中止となったが、代わりにそれぞれが走る様子を描いた自画像を模造紙に貼り付け、一つの作品にする企画だ。たすきをつなぐことができなくても、みんなが「つながる」経験をしてほしい-。そんな保育園関係者らの思いが込められている。
「手が変なふうになっちゃった」「難しいなぁ」
11月26日、同区山下町の横浜中華保育園では、年長児20人がクレヨンなどで描いた自分の顔に合わせて、胴体や手足を作る作業に取りかかっていた。ペンやはさみを手にしたその表情は、真剣そのもの。完成後、全員の作品を模造紙に貼り付けると「楽しかった」と笑顔を見せた。
同区では年長児のいる全保育園が参加する駅伝大会が秋の恒例行事となっていたが、今年は新型コロナウイルス感染症が拡大している状況を踏まえ、中止に。代替案として企画されたのが今回の巨大絵制作「かいて きって はって みんなで駅伝大会」で、子どもたちがトラックを走っている自画像を各園で作り、最終的に29園の模造紙計40枚をつなげて縦約2メートル、横約16メートルの巨大絵に仕上げる。
参加した園児全員には、“完走”の証しとして手作りの缶バッジを贈る予定。
横浜中華保育園の矢野淑明園長は「走ることはできないが、どうしたらみんなが参加できるかを考え、生まれた素晴らしい企画。子どもたちの良い思い出になると思う」と話していた。
作品は12月24日から来年1月11日(12月29日~1月3日は閉庁)まで、新市庁舎1階アトリウムに展示される。