【文化面コラム・響き】SDGs考えるヒント 生活文化部・松田みゆき

 「目標は一つじゃなくて、二つ以上だということ」。連載「先駆者たち 持続可能なくらしへ」で取材した、一般財団法人こゆ地域づくり推進機構の中山隆さん(35)=宮崎市=は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」をこう表現した。SDGsは、2030年までに達成すべき17の目標。根っこはつながっていて、とある私たちの行動は、複数の目標に関連すると言いたいのだ。

 例えば、買い物にマイバッグを持参するという行動。レジ袋のプラスチックごみを減らせるので、17の目標のうち「海の豊かさを守ろう」や「すべての人に健康と福祉を」に取り組める。さらに、環境に優しい商品を購入するなど行動を工夫すれば、貢献する目標は増える。中山さんの解釈を聞き、SDGsの実践をより具体的に考えられるようになった。

 持続可能な社会の実現には、一人一人が17の目標を”わがこと”にできるかが鍵だ。記者を後押ししたように、中山さんの言葉はそのきっかけになるのではないか。

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