2021年丑年の株価はどうなる?過去の丑年パターンから来年の相場を予測

2020年も残り1カ月を切りました。今年の干支となる子年は1950年以降では過去5回ありました。それぞれ、子年はどんな相場だったのでしょうか。過去の株価を分析してみたいと思います。

さらに、来年の干支である丑年との相関も考察してみます。


子年は3勝2敗

過去の子年の成績を見てみましょう。1960年(年間騰落率+55.07%)、1972年(同+91.91%)、1984年(同+16.66%)、1996年(同▲2.55%)、2008年(同▲42.12%)となっており、3勝2敗でした。

1984年までは全勝でしたが、2008年のリーマンショックによって子年は株高のジンクスはかなり低下してしまいました。それでも2020年は12月1週目現在では年間騰落率が+13.08%と好調に推移しています。

※年間騰落率は前年末終値との比較、チャートの指数化は年始終値を100としています。

過去の丑年のパフォーマンスは

それでは、来年の干支となる丑年はどうだったのでしょうか?

1961年(年間騰落率+5.59%)、1973年(同▲17.30%)、1985年(同+13.61%)、1997年(同▲21.19%)、2009年(同+19.04%)となり、過去5回の平均騰落率は▲0.05%でした。

1961年は岩戸景気の最終局面、1985年は9月にG5でドル高是正のプラザ合意、2009年はリーマンショック後、2月に米金融安定化法が成立して、戻りを試す展開となりました。半面、1973年には2月から為替が変動相場制に移行し、10月に第一次石油危機が到来、1997年は7月のアジア通貨危機と11月の大手証券と都銀の破綻などから大きなマイナスとなりました。

過去5回の特徴を大まかに捉えると、年始から年半ばまで堅調な推移となったケースが多かったものの、半ばから調整に転じるケースが多かったようです。

2020年と最も相関係数が高かった年は

1950年以降の週足終値を1年単位で区切り、69年分の相関関係を分析しました。

2020年の週足データと最も相関係数が高かった年は以下のようになりました。

1、2014年(年間騰落率+7.12%) 0.74、2、1955年(同+19.55%) 0.72、3、2003年(同+24.45%) 0.66、4、1952年(同+118.38%) 0.66、5、1953年(同+4.22%) 0.66

1番目の2014年は4月に消費税5%〜8%に引き上げられましたが、10月には日銀追加金融緩和(追加金融緩和8兆円とETFなどリスク商品の購入3倍増)が株高につながりました。2番目の1955年は11月に自由民主党が結成され、55年体制が発足しました。

3番目から5番目の中で特徴的だったのは1953年で3月のスターリン暴落と今回の新型コロナウイルスによる急落局面のトレンドが非常に似ていた点が注目されます。

来年を予測してみる

2020年のトレンドと相関の高かった5つの例をもとに来年を予測します。

1番目に2020年の週足と相関が高かった2014年の翌年は2015年(年間騰落率9.07%)となります。この年は、年央まで堅調に推移したものの8月ことに海外投資家の日本株売りで伸び悩む展開となりました。
次に相関の高かった1955年の翌年は1956年(同29.00%)です。54年12月から57年6月までの31ヶ月間続いた「神武景気」の真っただ中にあり、2年連続での大幅上昇となりました。

その次の3番目の2004年(同7.61%)は8月に三菱東京フィナンシャルグループとUFJホールデングスの経営統合が実現した年でした。4番目の1953年(同4.22%)は3月スターリン暴落があったものの年末にかけて株価は持ち直しました。

5番目の1954年(同▲5.78%)は2月に造船疑獄事件もあって下落しましたが、6月に国連アジア極東経済委員会に加盟するなど国際化が進みました。なお、5つの平均騰落率は+8.82%でした。

年半ばまでは堅調?

丑年の5つの平均は▲0.05%とマイナスとなっていましたが、トレンドの形成パターンは年央まで堅調に推移したものの、年末にかけて伸び悩むことが多い傾向が見られました。

一方、相関分析から算出された5つのパターンを翌年の5つの例(2015年、1956年、2004年、1953年、1954年)をみると年央まで比較的堅調な動きとなるが、中頃から伸び悩むパターンとなるか、年末にかけて再び上昇するかのパターンが予測されそうです。

2つのパターンで共通している点は、年央まで比較的堅調な推移が見込める可能性が高い点が挙げられそうです。

<文:投資情報部 髙橋幸洋>

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