数あるバスフィッシングメソッドの中でも圧倒的な高等テクニックとして名が挙げられる「ミドスト」。クリアウォーターや水温低下など、シビアな状況にこそこのメソッドの強さが発揮される。そんなミドストのエキスパートとして名を馳せるのが日本最高峰バストーナメントJBトップ50でも活躍する山岡計文さん。「ミドストは通年釣れますが、特に有効になるのが9月後半以降。水温が下がり始めると、魚が中層でぼんやり浮いているのを見かけますが、ミドストはそんなバスをじっくり誘えるんです。中層攻略+食わせに特化したリグですね」これからの時期にかけて有効なミドストテクを山岡さんに徹底解説してもらおう。
【Profile】
山岡計文(やまもと・かずふみ)
JBトップ50で活躍する業師。ホームは池原ダムと七色ダム。クリアレイクでは他の追従を許さない圧倒的な強さを誇る。ミドストを得意とし、ホバストの開祖としても有名。
Q.ミドストってどんなリグ?
A .「ロールを得意とする食わせリグです」
山岡「使いやすいのは3inクラスのワーム。これに横アイ搭載の軽量ジグヘッドを付ける。ワームの背中側にフックを通し、リグが左右に倒れやすくするのがコツ(下記画像参照)。これにより、中層で連続ロールさせやすくなる。ポイントはどこでもいい。障害物もないオープンウォーターでもいいし、橋脚や杭などの縦ストの脇を通すのもあり。賢いバスも口を使ってくれます」
山岡プロのセッティングに注目!
PDLスーパーリビングフィッシュ 3in(ティムコ)+ヴェスパ #3(リューギ)
ボディはローリング、テールは微振動で魚をおびき寄せる。ボディが中空なので、ロール時に独特のキラメキを発生するのも強みだ。
PDLリンキンシャッド 3in(ティムコ)+ヴェスパ #3(リューギ)
小魚に似た形状が特徴。ボディの中間に切れ込みがあり、シェイクするとこれが艶めかしい揺らぎを生んでバスにアピールする。
Q.ミドストの操作法を教えて!
A.「あまり難しく考えすぎないこと(笑)」
山岡「狙いのレンジまで沈めたら、ゆったりシェイクします。竿先で糸フケを弾き、すぐに緩めてを繰り返す。すると、重心を高めにセットしたワームが、倒れては起きてを繰り返します。ミドストはゆっくり誘えるのが強みなので、移動距離をできるだけ抑えるように動かしましょう」
Q .ビギナーへのアドバイスは?
A.「レンジがちょっとズレても大丈夫!」
山岡「ミドストは、一定の水深を泳がせなきゃいけない…なんてイメージがあるかも。確かにそれは技のひとつですが…僕もなかなかできません(笑)。なんとなくでいい…というと語弊があるけど、水深がちょっとズレたくらいなら魚から寄ってきてくれる。それくらい大らかに考えましょう」
Q.そもそも中層ってどこ?
A.「上から下までかなり幅広いです」
山岡「水面直下からボトムギリギリまで、そのすべてを中層といいます。魚探があればなんとなく魚のレンジがわかりますが、オカッパリだと当日探る必要があります。ビギナーがミドストをやる場合、水深5mまでがひとつの目安。それ以上深いところは、別の釣りのほうが効率的かな」
Q.最近流行のホバストとは?
A.「ホバーストローリングの略です」
山岡「ミドストでは食わない魚を釣るための技。表層をさらにスローに誘えるのが特徴です。ミドストはローリングさせますが、ホバストは素速いシェイクでボディを震わせて誘います。リグを目視して、アクション、レンジ、コースを確認しながら動かしましょう」
山岡プロおすすめのホバストリグはこれ!
PDLスーパーホバリングフィッシュ 3in(ティムコ)+ホバーショット #3〜2(リューギ)
中空の高浮力ワームにホバスト用フックを付け、ウエイト調節のためにワームの頭に0.3グラムのネイルシンカーを刺せば完成だ。
山岡的おすすめタックル
ミドスト用
●ロッド:エイシスACES64SULJ ミッドストローリングスペシャル or リンクス LINKS64SXULJ ミッドストローリングスペシャル(フェンウィック)●リール:ヴァンキッシュ2500S(シマノ)●ライン:ソラローム エクスレッド タイプNS 3〜4lb(東レ・モノフィラメント)
ホバスト用
●ロッド:エイシスACES61SULJ タイトシェイキンスペシャル●リール:ヴァンキッシュ2500S(シマノ)●ライン:フロロ3〜4lb or PE0.4〜0.6号+フロロ4〜5lb