小さいバスしか釣れない理由とは? 奥村和正「今日、釣ろうと思うな」【でかバス金言集】

バスの中でも特に大きい「でかバス」をあくまでも求めるのがバスプロという職業。彼らの築き上げてきた多くの成功と、それ以上の失敗から学んだ経験則には計り知れない価値がある。今回の語り部は長年「でかバス」狙いのトップシーンに立ち続けているデプスCEO・奥村和正さん。でかバスが釣れない悩める読者たちへ贈る、ハンターたちの金言集。心して受け止めていただきたい。

語り部はデプスCEO・奥村和正さん

【Profile】
奥村和正(おくむら・かずまさ)
90年代、琵琶湖のレンタルボート店・ひさの屋時代に10週連続50アップを釣り、メディアに登場。その後、でかバス専門ブランドのデプスを立ち上げ、数々のヒット作を世に送り出した。でかバスハンターの代名詞的存在。

デカいバスは「マグロ」と同じ。マグロを釣るにはそれなりの釣り方がある

バスって、アジを釣るようなタックルからマグロを釣るようなタックルまでいろんな道具、釣り方があるわけやんか。じゃあ、アジとマグロはどっちがたくさんいるかというと、アジのほうがはるかに多い。対して、食物連鎖の上のほうにいるマグロは希少種です。

同じく、大きいバスというのは少数派。小バスが少ししかいないのに、でかバスがワンサカいるところって、まあないわな。数の少ない魚を狙っているわけだから、小バスの延長線上にはないと思ったほうがいい。

いつも小バスがたくさん釣れるのに、大きいバスが釣れない人は、もしかしたらアジ釣りをしているのかもしれない。「マグロはどこだ?」という考え方に変えていく必要がある。

マメをたくさん釣って、そのなかに偶然ロクマルが混ざることもあるんだけど……やはり、考え方をでかバスに切り替えたほうがいい。つまり、今日釣りたいから…に溺れて、流されてしまっているわけや。

別に今日釣れなくてもいい、と割り切ってしまえば、大胆に方針を変えて、こうしてみよう、あそこに行ってみよう、という思考回路になれると思う。

でかバスの居場所、動き、生活環境に近づいていく

あとはまあ、極論、場所なわけやんか。もう場所ありきやから、バス釣りは。でも、それがどこなのかわからなくてみんな困っているのだと思うんやけど、結局、「あそこなら大きくないけど釣れる」という場所でいつもの釣りをしてしまっているのであれば、まずそれを断ち切る勇気を持とう。

でも、もうそんなのはとっくにわかっていて、デカいバスだけを追いかけているのに釣れないんです、っていう人もいると思う。それはただデカい魚がいるといわれている場所で、デカい魚が釣れるといわれている場所でやっていても、釣れないということは…。

まあアプローチが間違っているということ。そこはデカい魚が日常でどんなふうに捕食しているのかを想像して、仮定して、それと同じシチュエーションで近づけてやればいい。難しいけども、それは試行錯誤ですよ。

あと、デカいバスはラバージグが好きだとか、スピナーベイトが効くだとか、当然ビッグベイトとか…も一理ある。だけど、可能性は全部にある。ライトリグが数釣りだけかといえば全然そうじゃないしさぁ。

でも、自分の武器としてそういう1ジャンルを極めるというのは大事。自分の主軸になる釣りは絶対にあったほうがいい。あとは、場所を見抜く力を身に着けることではないでしょうか。…そういう俺は釣ってへんけどな(笑)。

目先の釣果に焦ってしまい、本当の目標を見失ってはいけない。今日釣れなくてもいい、と割り切ってしまえば、今すべきことの選択肢が明確になるだろう。

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