エゴンゼンダー・グローバル・ボード・ダイバーシティー・トラッカーによれば、進歩は遅く不十分 - 測定可能な行動が必要

  • 現在の取締役会の女性比率は23.3%で、2018年の20.4%から微増にとどまる。
  • ラッセル3000指数では、米国の全取締役のうち黒人の取締役はわずか4.1%。英国では、調査対象のFTSE 100企業の37%は取締役全員が白人。
  • フォーチュン500指数の5000人以上の取締役のうち、LGBTQ+であることを公表している個人はわずか24人。
  • 取締役会に占める新任者の割合は、2018年の11.4%から13.5%に増加。その30%が女性で、27%から増加。

ロンドン & ニューヨーク & チューリヒ--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 世界的な経営陣アドバイザリー会社のエゴンゼンダーは本日、2020年グローバル・ボード・ダイバーシティー・トラッカーの結果を公表しました。隔年で16年間にわたり、エゴンゼンダーは世界中の取締役会のジェンダー多様性と国際的多様性を追跡してきました。

今年の報告書では、44カ国の1685社(時価総額の合計は48兆ドルを超える)のデータを分析しました。これらの組織は、経済的、社会的、文化的に具体的な影響をもたらす重要性と規模を備えています。この報告書で初めて、エゴンゼンダーはその範囲を拡大してその他の多様性分野も対象とし、役員室で民族、性的指向、その他の視点の包摂について議論できるよう、取締役、最高責任者、議長に事例研究を提供しています。

結果は明白です。世界のジェンダー多様性は前進していますが、変化の速度は微々たるものです。多様性と包摂への注目が高まって対話と行動を引き起こしているものの、具体的な進歩を遂げるのは依然として困難です。

多様性の拡大率を高める必要性を超えて、別の緊急の責務が浮上しました。それは、取締役会の文化とダイナミクスを再考する義務です。新メンバーの積極的な参加を促進するために、企業は単なる追加や交代から、包摂的ユニットとしての行動と成果の増加に移行する必要があります。

今は大事な時期です。取締役会の多様性へのゆっくりでも着実な注目と、今年の強力な社会正義の活動を考えれば、既に行動する意志があるということです。今では注目、調整、行動が存在し、取締役会と組織全体の多様性向上に向けて意味ある決定を下すのに必要なすべてをリーダーは手にしています。当社の世界的多様性平等包摂カウンシル共同リードのパメラ・ウォーレンは、次のように述べています。「取締役会の要件に関するナスダックの新たな提案に関する最近のニュースは、対話の増加の具体的な兆候です。変化の必要性に対する意識が高まっており、行動の欠如に対する不満も高まっています。」

エゴンゼンダーのジル・エイダー会長は、次のように述べています。「今日、より多様な取締役会が必要であるということへの注目と認識が生まれていますが、多様性はジェンダーをはるかに超えたものです。現在は、従来のD&I指標を超えて、すべての異なる背景を代表するチームの構築を優先することがこれまで以上に重要になっています。取締役会のリーダーは、いくつかの大胆なステップで統治を近代化する力を持っています。変化は私たちの手の届くところにあります。

主な知見

ジェンダー多様性に向けた進歩は続いていますが、多様な思考の力を解き放つためには今後数年間が重要です。

  • 今年、大手企業の89%では少なくとも1人の女性が取締役会に在籍し、2018年の85%から増加しました。また、18カ国(2018年の13カ国から増加)で、最大規模の企業の取締役会に平均3人以上の女性が在籍しています。
  • 調査対象の中国、ブラジル、ドイツ、米国など25カ国では、まだ取締役会に女性不在の大企業があります。
  • 取締役会に平均3人以上の女性が所属している18カ国のうち8カ国には、女性の採用を義務付ける割り当てや規制があります。直近ではスイスがこの割り当てを追加しました。

現在、取締役会ではジェンダーや1つの民族グループを超えて多様性の価値を拡大することが不可欠です。

  • 適切なことに現在、民族的・人種的多様性の拡大に焦点が当たる中で、例えば米国では、ラッセル3000指数の全取締役のうち黒人の取締役はわずか4.1%でした。
  • 英国では、非営利の経営幹部グループのパーカー・レビュー委員会が、FTSE 100企業は2021年までに取締役の少なくとも1人を非白人とし、FTSE 250企業は2024年までに同様の措置をとるという目標を設定しました。2020年前半時点で、結果を報告したFTSE 100企業の37%で取締役会がそういう構成でなく、FTSE 250企業の中での達成率はわずか54%でした。
  • 70カ国では、LGBTQ+を公言することは依然として違法です。アウト・リーダーシップによれば、LGBTQ+の個人に対して多くの保護措置が実施されている米国でも、フォーチュン500指数の5000人以上の取締役のうち、LGBTQ+であることを公表している人はわずか24人です。その少ない数のうち、有色人種はわずか2人、有色人種の女性はゼロです。

前向きな変化をもたらすには、女性やその他の十分に代表されない候補者が、取締役会に単に参加するだけでなく、リーダーとしての役割を果たすことが必要です。女性の代表は、独自のネットワークを通じて、多様な候補者の成功と多様性向上を支える機能という相乗効果を持っています。

  • 女性は現在、世界の取締役会の全リーダーの27.3%を占め、2018年の25.5%から増加しました。
  • しかし、女性の取締役会長は、全体のわずか2.1%です(2018年の1.5%から増加しています)。
  • 世界的に、取締役会に占める新任者の割合は2020年に全取締役の13.5%を占め、2018年の11.4%から増加しました。その内30%は女性で、2018年の27%から増加しました。実際のところこれは、新任の女性の取締役が全取締役に占める割合が4%に過ぎないことを意味し、2018年からの増加率はわずか0.9%です。

行動計画

エゴンゼンダーは、多様性の面で良い変化を成功裏に生むために取るべきいくつかの長期・短期の行動があると考えています。

  • トップからの変化を提唱 – 経営幹部に恥を感じさせるのではなく、批判を新たな行動を学ぶ機会に変えることが重要です。
  • 包摂は重要 – 多様性により意見交換や、さらには意見の不一致も促され、したがって新たな発想が促進されます。
  • 数の力 – 支配的な多数派が残っている間は、少数派の意見は無視されます。
  • 可能性で選ぶ – 好奇心、関与、知見、決意がリーダーシップの重要な特徴です。
  • ネットワークを拡大する – 異なる視点や経験をもたらす人々を含めるべく、身近なつながりの外へ、意図的にネットワークを拡大する。
  • 他人のためにパイプラインを構築する – 意図の持続可能性を確保するために、多様性への取り組みに対して最高経営責任者(CEO)に説明責任を負わせる。
  • 時流に乗る – 現在の対話を利用して、新たな視点から学ぶ。

報告書の提案と発見事項全文の閲覧、分野や国などのさまざまな指標に基づいてカスタマイズした報告書の作成、事例研究動画の視聴は、こちらをご覧ください:www.egonzehnder.com/global-board-diversity-tracker

コメント

報告書には、多数の経営幹部の詳細な視点が含まれています。

報告書に掲載された主要な経営幹部のコメントは次の通りです。

「私たちは、活動の場である地域社会を代表する必要があります。ジョージ・フロイド氏の悲しい死は、人種平等拡大への活動に大きく火をつけました。」 – ロイヤル・バンク・オブ・カナダのキャスリーン・テイラー会長

「私たちが今日行っている対話は、20、30、40年前に行われるべきだったことを認める必要があると思います。それが当時起こらなかったことを恥ずかしく思いますが、今は今後に必要な変化を推進する機会があります。私たちには、従業員、会社、子供たちのためにより良い世界を作る義務があります。」 – HPのエンリケ・ロレス最高経営責任者(CEO)

「人々が仕事をする時は、昇進のチャンスがあると感じる必要があります。もし会社の中間管理職や上級管理職になれなければ、そして取締役会に入れなければ、所属意識は持ちにくいでしょう。」 – ダウのジム・フィッタリング最高経営責任者(CEO)兼会長

「ラテン系として取締役会に参加するよう求められる場合には、理由があります。市場を理解する手助けをしましょう。力と可能性を理解する手助けをしましょう。地域社会に純粋に意味のある形で語りかけるその市場向けの製品を開発する方法について考える手助けをしましょう。」 – バンク・オブ・アメリカのターゲット担当取締役のモニカ・ロザノ氏

「リーダーになるという特権が自分に与えられたら、その職務の1つは誰もが自分の能力を最大限に発揮できる環境を作ることだと、常に感じていました。仕事に全力を尽くすことができなければ、ビジネスに最高度に貢献することは非常に困難です。」 – コンステレーション・ブランズのワイン・スピリッツ部門担当執行副社長兼プレジデントのロバート・ハンソン氏

「アプローチに異なる得意分野と能力をもたらし、より多様で包摂的である必要があるという強い信念がなければ、当社が3~4年で1つのブランドと1つの市場しかないブラジル企業から世界的なマルチブランド、マルチチャンネルの組織になることはなかったでしょう。」 – ナチュラのロベルト・マルケス会長兼最高経営責任者(CEO)

「多様性が促進するものは意見の相違です。ビジネス上の意思決定をする時、最悪で最大の時間の無駄は、議論しようとしても全員が同意することです。取締役会により多くの女性が在籍し、その議論を引き起こし、その社会的結束を破ることを考える時、それが非常に重要だと思います。」 – X5、ブルー・ヨンダー、ファーガソン、MTSグループ取締役のナディア・ショウラバウラ氏

編集者への注記:

エゴンゼンダーについて

エゴンゼンダーは世界的な著名な経営陣コンサルティング会社であり、人々と組織が変革を起こせるよう支援するという唯一の目標を共有しています。エゴンゼンダーは優れたリーダーが持つ力を理解し、お客さまに最善のソリューションを提供することに熱意をもって取り組んでいます。

当社では、40カ国68カ所のオフィスで500人を超えるコンサルタントが1つの強力かつ協調的なチームを作っています。当社のサービスには、リーダー育成、個人・チーム・組織の有効性、CEOサーチと継承計画、エグゼクティブ・サーチと評価、ボードアドバイザリー、文化変革が含まれます。

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