「感動あふれる長崎県」でリピーター増を 次期観光振興基本計画素案

 長崎県は9日、環境生活建設委で、来年度から5年間の次期県観光振興基本計画の素案を示した。目指す将来像は「感動あふれる長崎県~みんなで磨く、文化と食と真心と~」。本県の強みである文化、食、人の魅力を高め、他では得られない感動を体験してもらうことで、他県に比べて低いリピーター率の向上と滞在日数増を図る。
 県観光振興課によると、県内宿泊客のリピーター率(2018年度)は58.6%で全国平均を約10ポイント下回る。同課は新型コロナウイルスの影響で今後、旅行先を選ぶ理由がさらに問われると分析。▽滞在型観光コンテンツの充実などによる観光まちづくりの推進▽期待以上の満足を感じさせる「おもてなし」力の向上-など、観光振興の方向性として5本の柱を掲げる。
 計画最終年となる25年の数値目標は、観光消費総額を4137億円(基準の18年は3778億円)に設定。達成のために、宿泊客1人1回当たりの消費単価を3万3400円(18年3万1921円)、リピーター率を66%に引き上げる。
 同課は「何をするためにどこに行くのか。新型コロナの影響で地域間競争はさらに激しくなる。観光まちづくりに、県民にも主体的に参加してもらいたい」としている。年内に各市町や観光事業者と意見交換会を開き、パブリックコメントなどを経て3月に策定予定。

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