「ホークスだから」鷹のルーキーが抱く“育成選手”へのポジティブなイメージ

新入団選手発表会見に臨んだソフトバンクの育成ドラフト8選手【写真:福谷佑介】

千賀、甲斐、周東らを輩出し“チャンスの場”となっている鷹の育成選手

ソフトバンクは10日、本拠地PayPayドームに隣接する「BOSS E・ZO FUKUOKA」内にある「よしもと福岡 大和証券/CONNECT劇場」で新入団選手発表会見を行った。ドラフトで指名された支配下5人、育成8人がお披露目され、各選手の背番号も決まった。

今季は13人の新人たちが新たにホークスの一員としてユニホームに袖を通した。夢だったプロ野球選手としての第一歩。会見で登壇する選手たちは、緊張しつつも、これから始まるプロ野球選手としての日々に胸躍らせているように見えた。

今季は支配下5選手、そして育成8選手がホークスに入団した。当然、どの選手も1軍公式戦に出られる支配下登録選手として指名を受けたいもの。ただ、指名された育成選手たちは「育成選手」という響きにネガティブな印象は全くないようだ。

ソフトバンクといえば、千賀滉大投手や甲斐拓也捕手、石川柊太投手、牧原大成内野手、周東佑京内野手といった育成出身の選手たちがチームの中心になりつつある球団だ。総合力では劣るものの、一芸に秀でた原石を指名し、徹底的に鍛えて、ここまで数多くの1軍の戦力を輩出してきた。

「育成でも支配下でもどっちでもいい。入ったらみんな一緒」

この歴史はプロを志す若いアマチュアの選手たちも、もちろん知るところ。ことホークスに関しては、かつてあった育成選手のネガティブなイメージはなくなり、数多くの若い選手にとって千賀や甲斐のようになれる“チャンスの場”としてポジティブに捉えられているようだ。

今年入団したある育成選手は「レギュラーを獲っている選手にも育成出身の選手が多いですし、自分も頑張ればレギュラーを取れるんだなと思います」と語り「ソフトバンクの育成なら、と思います」と、将来に胸躍らせた。

さらに別の選手も「育成の選手でも這い上がって1軍で活躍している選手がたくさんいる。チャンスは少なからずあると希望になりますし、育成でも支配下でもどっちでもいい。入ったらみんな一緒なので。それがホークスだから、というのはあります」と語っていた。

今季は周東が13試合連続盗塁の“世界記録”を樹立し、またも脚光を浴びることになったソフトバンクの育成選手。当然、その道のりは険しい。トッププレーヤーになるためには相応の努力が必要だ。ただ、それは育成であろうと、支配下であろうと変わらない。今年、入団した8選手から飛躍を遂げるのは誰か。彼らの成長にも注目していってもらいたい。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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