「性的指向」の意味「性癖」と誤認? 宜野湾男女条例案、反対市民の提出した文書に提示

 【宜野湾】沖縄県宜野湾市が制定を目指す市男女共同参画推進条例案について、反対する市民らが署名1360筆を集めた際、「性的指向」の意味を「性欲の対象は誰でも構わない」と記した文書を提示していたことが10日、分かった。「性的指向」は人の恋愛や性愛がどういう対象に向かうのかを示す概念で、識者は「誤解を与える表現だ」と指摘した。

 性的指向は性癖を示す「性的嗜好(しこう)」とは異なる。法務省は性的指向について「根強い偏見や差別があり、苦しんでいる人がいる」とし、理解を深めるため啓発活動をしている。金沢大学の谷口洋幸准教授(国際人権法)は「(性的指向の言葉は)インターネットで調べれば適切な定義は出てくる。文書は不安をあおるような書き方だ。意図的にも見られる」と述べた。

 文書は反対市民が市に提出した資料に含まれていた。反対市民が提出した陳情を審査する市議会総務常任委員会で10日、委員から資料提供の要求があり、市当局が提出した。

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