焼き鳥「ひびき庵」など経営していた(株)HM管財が破産開始決定

 2019年8月20日、東京地裁に民事再生法の適用を申請していた(株)HM管財(旧:(株)ひびき、TSR企業コード:313846391、法人番号:9030001057689、川越市霞ヶ関北2-3-2、設立1992(平成4)年1月、資本金1億円)は12月1日、東京地裁から破産開始決定を受けた。破産管財人には髙木茂弁護士(銀座木挽町法律事務所、東京都中央区銀座4-10-3、電話03-6228-4487)が選任された。
 負債総額は77億949万円(民事再生法申請時)。

 1990年6月創業。1994年頃から焼き鳥の提供を開始し、1995年には川越市内に第1号店をオープンさせた。以降、店舗を展開し、川越市を中心に埼玉県内に24店舗、東京都内に5店舗、茨城県内に1店舗を有し、各店舗にて焼き鳥を中心とした肉料理を提供していた。

 事業は拡大傾向で推移し、出店ペースも加速させていた。しかし、過去からの積み重なった借入金の債務負担が重くのしかかったことに加え、増加した店舗の管理のために本部人員を増強させたことで経費が増大し、利益率の悪化を招いていた。
 2018年と2019年には金融機関からの要請で2つの会社を買収したものの、従来の事業とのシナジーをあげることができず、買収費用によりさらに収支を圧迫。また、日本酒オートサーバーの開発など非食品分野への積極的な研究投資を行ったが奏功せず、本部経費の増加もあり、資金繰りも悪化した。

 こうしたなか、2018年にテナントオーナーの意向で、大きな収益源でもあった東京大手町店を撤退せざるを得なくなり、後継の有楽町店の売上も低迷し大手町店の減収を補えなかったため、2019年6月期には約14億7400万円の赤字を計上し、債務超過に陥った。
 主力店舗の撤退で売上はさらに落ち込み、2019年8月20日に民事再生法の適用を申請。自主再建を図ったものの、粉飾決算が明らかになるなど再建計画が難航。2020年4月、新たに(株)ひびき(TSR企業コード:134308603、法人番号:7030001136206、東松山市)を設立。同年5月、当社は(株)HM管財に商号を変更すると同時に日疋好春氏が代表を辞任。6月1日、新設されたひびきに会社分割を行った。その後、11月4日に再生手続きが廃止となっていた。

 なお、ひびきは(株)とりビアー(TSR企業コード:297556258、法人番号:2011101050443、宮崎県都城市)が親会社となり、営業を継続している。

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