フォーミュラ・リージョナル:阪口晴南が11勝目を獲得し、シリーズチャンピオンに輝く

 フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップの第13戦/第14戦が12月12日、大分県日田市のオートポリスで開催され、2戦ともポイントランキングトップの阪口晴南(Sutekina #3)が制した。

 阪口は今季参戦した11戦で全勝を達成し、第13戦終了時点で最終戦を待たず、2020年シーズンのシリーズチャンピオンの座を手にすることとなった。

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 8時55分から行われた公式予選では古谷悠河(TOM’S YOUTH)がベストタイムとなる1分42秒850を記録。セカンドベストでも1分43秒041を記録し、第13戦、第14戦ともにポールポジションを獲得した。

 12年ぶりのフォーミュラカーレース参戦となった本山哲(TEAM GOH)はベストタイムで1分43秒545を記録。セカンドベストは1分43秒748を記録し、第13戦、第14戦ともに4番グリッドからのスタートとなった。

■第13戦

 天候は曇り、気温7.2度というコンディションのなか、第13戦決勝レースは12時15分にスタートした。

 初のポールポジションスタートとなった古谷だったが、スタートに失敗しポジションを5番手まで落としてしまう。

 これにより、2番グリッドスタートの金丸ユウ(Sutekina #5)がトップに浮上し、2番手に阪口、3番手に本山、4番手に池島実紅(Sutekina #8)が続いた。

 最後尾までポジションを下げた古谷だったが、1周目に池島をパスし4番手にポジションを上げると、勢いをそのまま2周目のジェットコースターストレートで本山をかわし、3番手までポジションを戻す。

 トップの金丸は阪口を抑えつつ周回を重ねるが、阪口がギャップを徐々に縮める。ときを同じくして阪口の背後に3番手の古谷が接近し、3台によるトップ集団が形成された。

 1.5秒の間に3台が走るという接近戦が繰り広げられたなか、9周目のホームストレートで阪口が1コーナーで金丸に並ぶと、3コーナーでトップに浮上した。

 2番手となった金丸はタイヤが厳しくなってきたのか、阪口とのギャップが徐々に広がりをみせ、今度は3番手の古谷に追われる展開となる。

 12周目、1コーナーで金丸をかわした古谷が2番手に浮上、そのままトップの阪口を上回るペースで周回を重ねた。

 しかし、古谷は0.448秒及ばず、阪口が首位を守ったまま14周目のトップチェッカーを受けた。この勝利により阪口は、ポイントランキング2位につける古谷とのポイント差を45まで広げ、最終戦となる第14戦決勝を待たず、2020年シーズンのフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップの初代チャンピオンに輝くこととなった。

 2位は古谷、3位は金丸が獲得。本山は表彰台に一歩届かずの4位となり、5位は池島となった。

2020 フォーミュラ・リージョナル第13戦オートポリス スタート
金丸ユウ(Sutekina #5)
初代王者に輝いた阪口晴南(Sutekina #3)
2020 フォーミュラ・リージョナル第13戦オートポリス 表彰台

■ベテラン本山哲が好走をみせた第14戦

■第14戦

 2020年シーズン最終戦となる第14戦は、陽も傾く15時20分に快晴のなかスタートを迎えた。

 ポールスタートの古谷はまたしてもスタートに失敗し、阪口、金丸にかわされてしまう。さらに、4番手スタートの本山とサイド・バイ・サイドとなるも、1コーナーで古谷が3番手を死守した。

 トップに浮上した阪口はハイペースで逃げにかかるが、対する2番手の金丸はペースが上がらず、3周目の1コーナーで古谷にかわされ3番手にポジションを落としてしまう。

 トップの座を取り戻すべく古谷は自己ベストを刻みながら追うが、阪口も自己ベストを連発して対抗。

 一方、3番手金丸の背後に本山が接近。10周目のコントロールラインでその差は0.2秒まで縮まると、1コーナーで本山が金丸をオーバーテイクし、3番手に浮上した。

 本山は金丸とのギャップを11周目には2秒まで広げ、表彰台獲得かと思われた。しかし、12周目の第2ヘアピンでコースオフし、グラベルに捕まってしまった。

 11戦全勝狙う阪口と、初優勝を狙う古谷の戦いは熾烈を極める。古谷が0.5秒阪口を上回るペースで周回を重ね、10周目に2.256秒あった2台の差は、16周目に0.653まで縮まった。

 しかし、オーバーテイクするまでには至らず、阪口がトップを守ったまま17周目のチェッカーを受け、今季11勝目を手にした。2位は古谷、3位は金丸、4位は池島が入った。12周目にグラベルに捕まった本山は、オフィシャルの手によりコース復帰を果たし、2周遅れの5位でチェッカーを受けた。

 フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップの初年度となった2020年シーズンは阪口がドライバーズタイトルを獲得。マスターズクラスは今田信宏(JMS RACING)が、チームタイトルはSUTEKINA RACING TEAMが獲得している。

 2021年のフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップは6月26〜27日、岡山国際サーキットで第1ラウンド(第1戦〜第3戦)を予定している。

金丸ユウ(Sutekina #5)を追う本山哲(TEAM GOH)
2020 フォーミュラ・リージョナル第14戦オートポリス 本山哲(TEAM GOH)
2020 フォーミュラ・リージョナル第14戦オートポリス 古谷悠河(TOM’S YOUTH)
2020 フォーミュラ・リージョナル第14戦オートポリスチェッカーを受ける阪口晴南(Sutekina #3)
2020 フォーミュラ・リージョナル第14戦オートポリスを制した阪口晴南(Sutekina #3)

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