髙嶋政宏「⾃由にプレイできない中、僕はこの映画に救われた!」 映画「ブレスレス」トークショー

生と死の狭間で生きる 2 人の極限の愛を描くフィンランド映画「ブレスレス」が本日公開され、著書「変態紳⼠」でSMへの深い造詣を披露している髙嶋政宏と、ドラァグクイーンのヴィヴィアン佐藤が出席したトークショーが、都内で開催された。髙嶋は自身の経験を交えながら、作品やフェティシズムについて語った。

髙嶋は、「これぞフェティッシュ映画!演出と芝居が実に緻密。SMルームでいきなりプレイが始まるけれど、それがリアルで⾃然」と本作を⼤絶賛。新型コロナウイルスはSM界にも打撃を与えているようで、「⾃由にSMプレイができない中で、僕はこの映画に救われた。すぐに歌舞伎町の仲間に観るように連絡する」と宣言していた。さらに、フェティシズムについて語り、「この映画と⼀緒です。気に⼊るか気に⼊らないか。興奮するか興奮しないか。フェチとはそういうもの」と持論を展開した。

本作の好きなシーンについては、ヴィヴィアン佐藤が「冒頭のユハの奥さんが⽔死するシーンが好き。⽔の映像も綺麗だし、冷たいトーンもいい感じ」と回答。対して髙嶋はモナがユハの⻭を抜くシーンを挙げ、「抜いている場⾯での⾜だけが震えるリアルな感じもいい。その後にユハを⾒下すかのようなモナの顔…あのような顔は 歌舞伎町でもよく⾒ます。侮蔑と興奮の⼊り混じる顔」「僕は抜⻭されるのは嫌だけれど、あんなことをされている姿には興奮する」と、経験者ならではの視点で語った。

「ブレスレス」は、不慮の事故により突然妻を失い、妻を救えなかった自責の念から10数年に渡って無気力に過ごす外科医のユハが、迷い込んだSMクラブでボンテージ姿のモナに首を絞められて酸欠になったことで、死の直前の妻の姿を見る。ユハはモナの元に通い、2人のプレイは激しさを増していく・・・というストーリーの作品。2019年のカンヌ国際映画祭監督週間で上映され、2020年ユッシ賞(フィンランド・アカデミー賞) で6部門を受賞した。

ブレスレス
公開中
配給:ミッドシップ
公式サイト:https://breath-less.com
©Helsinki-filmi Oy 2019

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