ラルシュ(フランス語で契約の櫃、ノアの「方舟」の意)とは

By 聖母の騎士社

2019 年、世界中に154 のラルシュのコミュニティがあり、障がいのある人、ない人がコミュニティ作りをしています。

ラルシュコミュニティの中心は、なかま(障がいのあるメンバー)、アシスタント、ボランティア、友人の間にある相互関係と、神への信頼です。おもな使命は、なかまの賜物を伝えることです。

「ラルシュのアイデンティティと使命」

ラルシュのアイデンティティ(ラルシュとは)

●ひとつの国際組織に属するコミュニティで、知的障がいを持つ人と持たない人が生活を分かち合う。

●相互のかかわりと神¹への信頼を中心にして共に歩む。

●一人ひとりのかけがえのない価値をたたえ祝い、お互いを必要としていることを認め合う。

¹(固有の宗教、宗派に限らず、それぞれの人が信じるものを大切にしています)

ラルシュの使命

●互いにかかわり成長していく過程で見出される、知的障がいのある人の賜物を世界に広める。

●ラルシュ創設の歴史における中心的な価値を大切にしながら、私たちの仲間の変化するニーズに対応する環境を、コミュニティのなかに育む。

●私たちの多様な文化にかかわり、より人間らしい社会を目指して共に働く。

 

「ラルシュの歴史」

1964年、パリの北にある小さな村、トロリーでラルシュは誕生しました。

ジャン・バニエと2 人の知的障がいのあるフィリップとラファエルが、住んでいた施設を出て、トロリーの小さな家で生活をはじめました。その家の名前がラルシュです。

障がいのあるなかまや、世界中から若いアシスタントを新たに迎え、生活を分かち合いました。1969年、デイブレイク(カナダ)にラルシュのコミュニティができました。70年代にはインド、コートジボワール、ホンデュラスにラルシュコミュニティが広がっていきます。

ラルシュはさまざまな文化や言葉、状況、違った社会背景に開かれていきました。カトリックの伝統のなかでラルシュは創立されましたが、すぐにエキュメニカルなコミュニティとなり、人間の価値を大切にすることと結びつきます。世界に開かれ、従事し、連帯と希望のしるしになるよう目指しています。

現在、38ヶ国のなかに154のラルシュコミュニティがあります。(2019年)

聖母の騎士 2019年6月号より掲載 

社会福祉法人ラルシュかなの家 https://larchejapankana.localinfo.jp/

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